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償却資産税のはなし その5 ~わりと指摘されること~

償却資産税シリーズ、なんのかんのと5回目。

今日は、前回に引き続きな感じで、間違いやすいといいますか、市町村の課税部局から「ミスってますよ」と指摘されやすい資産のはなしをします。

例によって、前橋市の固定資産税(償却資産)申告の手引き(一応リンク)にもあるような事項です。

フォークリフト・トラクター


上記手引きの6Pにある事項です。

この、フォークリフト・トラクターはどの市町村もその取扱いをめぐって注意喚起しているところで、「フォークリフト 償却資産税」あるいは「フォークリフト 軽自動車税」で検索すると、どばーっと出てきます。

この手のフォークリフト・トラクターは、小型特殊自動車であり、(償却資産税ではなく)、軽自動車税がかかることになっています。

なっています、というのは、現実問題としてフォークリフトを持っていても軽自動車税を納付していないと思われる事例がまあありそうだからです。

軽自動車税の対象なので、償却資産税は申告が不要なのですが、これを申告しているという場合が結構多いと、手引きには書かれています。

おそらく、フォークリフトやトラクターを固定資産の登録時に、機械装置‐総合工事業用設備 だとか、機械装置‐農業用設備 だとかに分類しているからではないかと思います。

大きな声では言えませんが、市町村としては、法律の建前はどうあれ、軽自動車税か償却資産税かのどちらかで納税してくれればまあ良しとする、という運用をしている可能性もあります。どっちも納税していないと、納税してね、という案内が来ると思います。

賃貸物件の内装


自分で建てた建物につき、建物の一部を構成する建物附属設備は、償却資産税(固定資産税)の上では家屋として扱われるため、償却資産としての申告は必要ありません。

ところで、1億円で建物を建てたとしても、1億円そのまま勘定科目を「建物」とは、しません。

普通、建物を使うには電気設備やら給排水設備やらが必要で、そういったもの含んで1億円の建築価額となっていますので、建物本体(躯体)部分と、設備部分は分けて計上します。

建物     取得価額6,000万円 耐用年数34年
建物附属設備 取得価額2,000万円 耐用年数15年
・・・
といった具合です。

会計(貸借対照表)上の科目は分かれますが、償却資産税(固定資産税)では家屋としての取扱いです。(もちろん例外というか、償却資産税となるものもあります。)

これが、建物本体は他人所有のもので、それを借りて内装やら配管工事をした場合どうなるかというと、これにかけたお金は、勘定科目としては建物、または建物附属設備として資産計上することとなります。

これについては、償却資産税の申告が必要となっています。
ちゃんと前掲の手引きにも

「賃借人(テナント)の負担で取り付けた資産は申し出により全て償却資産として賃借人(テナント)が申告してください」

とあります。(7Pの表)

ですが、固定資産台帳(固定資産管理システム)において、建物や建物附属設備については、デフォルトでは償却資産税申告対象外となっていることが多いと思います。その結果、償却資産税としての申告が漏れます。

ミス回避するには日ごろの入力に尽きる


上記のミスは、固定資産台帳(固定資産管理システム)に登録する際に、よーく気を付けておけば防げる事項ではあります。

が、
・入力するときに償却資産税のことまで気が回っていない
・入力は初心者や新人が担当しがちで、そもそもよくわかっていない

といったことで、デフォルト設定そのままになって、数多ある償却資産税の申告で、申告のたびに一つ一つ(一社一社)確認はしない(できない)ため、ミスが起こります。

償却資産税の申告は、日々の入力がキチンとされていれば何の問題もない業務ですが、現実は…というのはこのシリーズその2で述べました。

まあでも、日々の積み重ねが大事だよな、でもそう思っていて毎年繰り返されるんだよな、というのがこの償却資産税の申告なのであります。

とりあえず、償却資産税シリーズ、ネタはまだありますがいったんここまでとします。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。

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