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歴史を知ってわかること

「歴史=暗記科目」といった印象を持たれている方多いと思います。
覚えることが多い。難しい。勉強する意味がわからない。。
私も最近までそう思っていました。ですが、いろいろ調べているうちに考えが変わってきました。
「違う時代や場所で生きていた人々の生活をイメージすること」
これが歴史を学ぶ意義であり、おもしろいところだと、今では思います。

それはどういうことか。
たとえば、今の日本ではお金を稼ぐのが「偉い」とされていますが、実はここ200年ほどの話で、人類の歴史の中では最近です。中世のヨーロッパでは稼ぐ能力はまったく評価されず、むしろ否定的に見られていました。
その当時の社会的な「偉さ」の指標はなんだったかというと、信仰心です。信仰心が篤い人ほど偉い、という社会だったのです。
一方日本の中世は、戦乱が続いていました。その頃はおそらく、切り合いに強い人が尊敬されていたでしょう。
つまり、時代や場所によって社会や価値観は形成されるので、「普通や当たり前」というものは移り変わっています。ですので、今の私たちの生活をベースに出来事や人名だけを暗記しても、いまいちピンとこないのです。

「どうしてお金を稼ぐことが評価されていなかったのか」
「それがどのようにして認められてきたのか」
というように、違う時代や場所で生きていた人々の生活をイメージしてみることが大切です。そうすると、歴史が作られてきた背景の理解が進みます。
現代はコンピュータによって計算と記憶を拡張することができます。暗記よりイメージすることが重要なことは自明です。
「コンピュータがない時代はどのようにして天気を予測していたのだろう」
「社会からどんな要望があってコンピュータが作られたのだろう」
そういった疑問を持ち、当時の生活をイメージすることで、今の普通や当たり前がどれほど特殊であるか、感じることができます。

また、偉人と呼ばれるような人物の一生を知ることで、自分自身や他人に対する理解が深まります。
例えば、マハトマ・ガンジーは非暴力運動の代表的な指導者であり、独立運動に尽力した人物です。彼は人々に対して、暴力ではなく非暴力で闘うことを訴え、自らもその実践に取り組みました。彼は何度も逮捕され、投獄されたにもかかわらず、非暴力を貫き通し、多くの人々の尊敬を集めました。

このエピソードに対して
「どうしてどんな状況でも彼は非暴力を貫けられたのか」
「今の社会で言うとどんな状況に当てはまるのか」
など、ガンジーの感情や価値観をイメージしてみると、かえって自分自身の理解が進むこともあるでしょう。自分以外、つまり人間に対する理解も深められると思います。

そして、他者の視点や経験を理解しようとする姿勢は、日常のコミュニケーションにも応用できます。
会話するときは「イメージして分かろうとする姿勢」が大切だと、常々思っています。人は誰一人として同じ経験をしていません。ですので見方や考え方、感じ方は1人1人異なります。
もし、相手が自分とは違う意見を持っていたとしても「まず聞いてみる」ことからはじめて、「どうしてこう考えるんだろう」と意見にいたるプロセスをイメージしてみる。そして、分からなかったら質問する。そうすることで、コミュニケーションがより豊かになると思います。

そういった自分が経験していないものを「イメージすること」が私は好きです。その楽しさや面白さを、歴史を通じて知ることが出来ると思います。単なる事実の暗記よりも、社会や人間に対する理解のために、歴史に興味を持ってみるといいかもしれません。

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