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たちわかれ いなばのやまの みねにおうる まつとしきかば いまかえりこん

猫ちゃんがとつぜん失踪してしまったときのおまじないとして有名な古今集の歌(巻8・離別365・在原行平朝臣)。「待ってると聞いたら、すぐ帰るから」って言ってるわけだけど、実際に誰に言ってるかというと、まあ普通は都に置いてきた恋人と解釈されそうだ。

ユニコーンの「大迷惑」にも似てる。

でも、私はここで「待ってると聞いたら秒速で帰るぜベイビー」のベイビーは、ホーム・スイート・ホームのことなんではないかと思う。自分の故郷に向かって話しかけてるとおもう。

しかも、ここでの故郷はモテモテの大都会、シティである。都会である故郷は、出世に敗れ、落ちぶれたお前のことなんか待ってるわけがない。だからすぐに帰る必要もないのだ!!! 

恋人なんちゃらと言うよりも出世してまた何とかして僕は都に戻るもんー!とでも言いたげだ。だけど、大都会の故郷は、僕を待ってなどいない。次から次へと新しい素敵な人材がやってきて求愛するんだから。

それにしても、失踪してそのまま帰ってこない猫は、本当は帰りたいのか、他にたのしいことがあって帰りたくないのか、忙しくて帰れないだけか、なんなんだなんなんだ? 猫ってほんとわからない。

どんなに散歩が楽しくてもおうちが見えると、うきうきして小走りになっちゃう犬のほうが良い。って結局犬の話になっちゃったよ。


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