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事業アイデアを通すプレゼン資料の基本デザイン

今回は、事業承認プレゼンや、アクセラレータ、デモデイ、ピッチデックなどで試行錯誤してきたプレゼン資料についての工夫を記載するnoteです。

イントラプレナーとして自身の事業案のプレゼンを実施し、ソフトバンクの社内企業制度を皮切りに、IVS LAUNCHPAD SaaSといった有名スタートアップピッチイベント、東芝や富士通といった大企業のアクセラレータやデモデイ採択、経済産業省でのピッチアワードなどで、都度プレゼンテーションについても評価を得てきたので、その作り方をお伝えしていきたいと思っています。

(ピッチの様子/経済産業省「IoT Lab Selection」Awardピッチ)

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世の中には「プレゼン資料の作り方」の書籍や記事、素晴らしいプレゼンをされる方はいっぱいいらっしゃいますので、いわゆる見た目については別にそれと取り立てて異なることはありません。

また、デザインといってもデザイナーのスキルが必要というものではなく、あくまでノンデザイナー向けです。この辺が参考になったよ!も含めてご紹介していきます。


事業プレゼンのデザイン ≠ グラフィック

ノンデザイナー向けといっても事業プレゼンにデザインは必須です。
しかし、ここで言うデザインとは

「構想・設計・見やすさ」

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という視点が中心になります。

「デザインにそんな意味があるのか?」と思われた方、ぜひデザインの語源を調べてみてください。想像以上に幅広い意味があります。

デザイン:構想、計画、設計、意匠などのさまざまな意味を含み、これらの総合として、またいずれかに力点を置いたものとして用いられる


なぜ、グラフィック的な意味ではなく「構想、設計、見やすさ」なのか、というと、事業プレゼンで最も重要なことは「伝わること」だからです。

もちろん本当に良いプレゼンは「聞き手を主役にし、聞き手を動かす。承認を得る」などがゴールになりますが、それはあくまで言いたいことが伝わった後の世界線です。

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事業プレゼンが伝わった場合、Go or no-Goに分かれます。
しかし、伝わらなかった場合、100%でno-Goとなります。

心情的に大事なことは、「自分でコントロールできることをする。できないことは気にしない」です。

いままで、新規事業制度のプレゼンに挑むイントラプレナーとお話してきて、多くの方が「合格」を目標においてプレゼンをしていました。無論これでも誤りではないですが、ソフトバンク以外にも超大企業のアクセラレータやLAUNCHPAD SaaSなどのピッチイベントで成果をあげてきた私の意識は「このプレゼンで言いたいことが伝わるかどうか」です。

合格するという概念自体が頭に無く、正確には仮に合格した場合「Day1から何をするべきか?」のほうが遥かに比重が大きいです。


伝わるのレベル感としては、妻や息子や親にプレゼンしても「難しいことはわからんけど、こういうのができるようになるって言うのはわかったわ。近所の◯◯さんとか喜びそうやわ。儲かりそうやわ。」と伝わるかどうか、を基準にしています。

要するにその業界のことを一切、ほとんど知らない人にも要諦が伝わるかどうか、がとても重要です。皆さんのプレゼンはそうなっていますか?

では、伝わるプレゼンにするためにはどうすればよいか?そのために重要なことがデザインです。繰り返しますが、ここで言うデザインとは

「構想・設計・見やすさ」

です。そのことについてポイントをお伝えしていきます。


伝わるプレゼンの「構想」

最初に検討すべきはプレゼンの構想です。構想とは、

「仮にこのプレゼンを30秒しか聞いてない人でも、たった一つ覚えてもらいたいことは何か?」

を考えることです。

人間は自分が知りたいことしか聞いてくれませんし、多くの場合、数件どころか10数件、数十件と一度にプレゼンを聞いています。

そのため、たった一つを印象づけるとしたら何か?を徹底的に考える必要があります。

とは言っても具体的にどうすればいいかわからない場合は、最初のスライドと最後のスライドのメッセージは何か?を考えてみると良いです。イメージは以下のようなレベルです。

今日、私がお伝えすることは「XXX」です。
XXXは「YYYにZZZ」を価値提供する事業です。

なぜ私はこの事業(課題)に着目したのか?
それは「AAAだと思っていたことが実はBBB」ということに気づいたことがきっかけです。

具体的にどのようにこの価値を提供するのか?本当にBBBはあり得るのか?
実際に「CCC(時間とか人数とか)」を中心に検証を重ねてきました。ぜひお聞きください。

もう少しシンプルにすると、↓くらいから始めてもよいでしょうか。

私たちの〇〇(サービス or 製品)は、
〇〇と〇〇(すること)によって、〇〇(成すべきこと)をしたい〇〇(顧客)を助けます


例)私たちの事業の場合

私たちの(SaaS)は、(ソフトウェア開発の負担を避け)(IoTデータの可視化を素早く優れたUXで作れること)によって、(IoTで新規事業やソリューションを立ち上げ)たい、(SIer、センサーメーカー)に貢献します。

このように一言で事業案を伝えられるメッセージを構想したあとは、どうすればさらにこのメッセージを伝えればよいのかを設計していくことになります。


伝わるプレゼンの「設計」

次に取り掛かることは設計です。設計とは、

「このプレゼン/パート/スライドは要するに何を伝えるものなのか?」

を考えることです。PREP法、SDS法など色々手法はありますが、全ては「要するに」から話せ、ということと、それを全スライドで行う意識が必要です。(プレゼンの場合は、PREP法のほうが向いていますが設計という観点では大きな違いは無いと思います)

これをプレゼン全体、パート、スライドそれぞれで繰り返していくことで、伝わる設計に磨かれていきます。

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私の事業案の場合、

プレゼン全体での「要するに」

IoTといえばモノとネットワークに着目されているけど、実はアプリケーションが普及の鍵を握っている

パート/スライドの「要するに」

なぜそう確信するに至ったのか?

確信するまでにどれほどの顧客ヒアリングや現実を確認してきたのか?

そこから導き出された課題は何なのか?

これを解決するアイデアは何なのか?

顧客からの反応はいかようだったか?

なぜ自分たちならできるのか?

もう一度いうが、IoT普及の鍵を握るのはUI/UXに優れたアプリケーションである

といったストーリー展開です。別にIoTでなくとも、基本的な設計は変わりません。


伝わるプレゼンの「見やすさ」

このようにしっかりと作られた構想/設計、でも見やすくなければ魅力は半減します。

この項目は実例なども必要ですから、別の機会に私自身のことは触れたいと思いますが、スライドの断片だけでも↓に。

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とはいえ、もう「見やすいプレゼン資料」ナレッジはいくらでも出てきますので、一冊でも一記事でもご覧になってはいかがでしょうか?

以下などはとても参考にさせてもらいました。

↓いわゆる見た目を垢抜けさせる基本


構成について、特に私が参考にしているのは、実際に資金調達に成功した事業ピッチです。例えば↓のAir bnbなど。(こういうのがすぐ見つかるなんてほんといい時代になったものです、先人に感謝です)


伝わりづらいプレゼンですと、内容の良し悪し以前に発表自体をまともに聞いてもらえないかもしれません。

伝えるプレゼンをすることは、受け手に対するある種の礼儀と思って、ぜひ取り組んでみてください。


それではまた。

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