太陽は燃えていない
燃える太陽という言葉があるくらい、太陽は燃えていると思っているのではないか。
いや太陽は、燃えていないのだ。
私はこのことに気づいた時、ちょっとショックだった。
燃えるというのは、物が酸素と結合する化学反応だ。
太陽にあるのは、水素が大部分なので、この水素が燃えて水になる、という様なことが起きているわけではない。
太陽で起きているのは、核融合という水素原子がくっ付いてヘリウム原子になる反応で、我々が普段目にする燃える、燃焼という反応ではない。
そんなことぐらいは、知ってるわい。
でしょうな。
じゃあ、その核融合は太陽のどこで起きている?
地球上で物が燃えるという時は、物の表面から燃える。
・・・そ、そうだわね。
なぜ、表面から燃えるのか。
それは、空気(酸素)が物を取り囲んでいるから。
つまり、燃える=酸素と結合する、その酸素が物の表面にあるからだ。
太陽はどうか。
水素が核融合反応を起こすには、ものすごい圧力をかけるか、ものすごい高温にするしかない。
太陽の表面温度は、5,778Kと言われる。
6000度位の温度では、核融合は起きないのだ。
これに対して、太陽の中心部は、2,500億気圧、1,500万度。そう、太陽の核融合は中心部、中で起きている。
我々が見ている光輝く太陽の表面(光球という)では、核融合は起きていない。
また、核融合でできたヘリウムは水素より重く、太陽の中心部に溜まっていく。太陽の表面には出てこない。
地球でものが燃えると、炎ができる。
それは可燃物質がガスになって、燃えたり、熱されたりして発光している姿だ。
我々の見ている太陽の表面の炎のように見えるものは、熱せられた水素が発光しているので、水素が化学反応はもちろん核融合反応をしている姿ではないのだ。
つまり燃えていない。
どうです、へぇ〜、じゃない。
・・・じゃない(^^;
私は、これに気づいた時、思わず あっ!でした。
何となく、太陽の表面で核融合が起きているように思っていましたから。
ところで、今日の画像の説明
このクネクネと這っている筋は、プロミネンス(紅炎)またはダークフィラメントと呼ばれるものだ。
その中でも、大きい部類に入り、長さ350,000Kmもある。
太陽の下層の大気である彩層の一部が、磁力線に沿って上層大気であるコロナの中に突出したものだ。
通常数時間から数日存在する。
このプロミネンスを上から見たので、このような筋に見えるのだ。
横から見ると、この画像の上端に立ち上がっている雲のようなものがプロミネンスだ。
この画像は、彩層部分やプロミネンスを強調するために、反転してある。だから、明るい部分は本来暗く、暗い部分は明るい。
右上に見える、白い点は、地球と同じほどの大きさの、太陽黒点だ。
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