三日月が掛かる空に、何機ものUFOが飛び立っている。
ように見えるこの写真、UFOに見えるのは、火山から噴き出したガスと火山灰によって作られる煙の輪（Smoke Rings）です。

何で火山の火口から噴き出したガスと火山灰が、ドーナツ状になるのか。

火口からポット噴き出した煙は、空に向かって上昇するが、火口の外側（壁側）の煙の上昇速度がわずかに遅い。
それは、壁の近くになれば、壁とガスとの摩擦なんかもあるだろうから、理解できると思う。

そうすると、煙の外側と内側の速度に差が出てきて、煙が巻き込むような動きになる。そうすると、煙はドーナツ状になる。

これが、写真のUFO。
最も、こんなに綺麗にドーナツ状になるには、火山ガスと火山灰が出てくる通気口の適切な形、煙の速度、外部大気の相対的な安定性等が揃う必要がある。

そういう意味では、不思議な現象ではないが、稀な現象だ。

イタリア、シチリア島エトナ火山の夜明けの風景だ。