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球状星団オメガ・ケンタウリ


https://apod.nasa.gov/apod/ap140529.html

小学校高学年、あるいは中学校に入りたての頃だったかもしれない。生まれて初めて本格的な天体望遠鏡を覗いた。
その時見たのが、球状星団だった。

望遠鏡の視野の中に、くっきりと浮かぶ球形に集まった光の集団に心を奪われた。
あれ以来、色々な素晴らしい天体写真を見て、感動したりしてきた。それらに比べると球状星団は、ただ星が球対称に綺麗に集まっているだけで、ある意味単調だ。

それでも球状星団に関しては、そのシンプルな球対称形のゆえか、ずっと気になり続けている。

球状星団は、銀河のハロー部分に銀河を取り囲むように一般的に存在している。我が天の川銀河には、150個ほど見つかっている。また、アンドロメダ銀河には、500個ほどあり、巨大楕円銀河には、10,000個もの球状星団を持つものもある。

球状星団は、これは星が互いの重力によって、球状に集まっているのだが、その結果、星と星の距離は短い。
そこで、特に球状星団の中心付近では、宇宙では一般に珍しい星同士の衝突、あるいはニアミスなどが起きていたりする。

また、球状星団に属する星の年齢は、だいたい同じ年齢であり、このことは、球状星団の星は、同時期に生まれたことを示していると考えられるのだ。

そして、一般的に球状星団の年齢は、宇宙の年齢と同じくらい古いものが多い。
等々、なかなか興味深い性質を持っているのだ。

さて、この画像だが、球状星団オメガ・ケンタウリを写したものだ。

オメガ・ケンタウリは、NGC 5139としても知られ、約15,000光年の距離にある。直径は約150光年あり、約1000万個の星が集まっている。

球状星団のサイズは、通常数十万個の星の集まりであるのが多いので、これは、異例だ。

その上、上記の様に、ほとんどの球状星団は、同じ組成と年齢の星でできているのに、オメガ・ケンタウリは、化学組成と年齢が異なった星で構成されている。

そこで、オメガ・ケンタウリは、天の川銀河と合体し、外装を吸収された、矮小銀河の核ではないかという考え方があるのだ。

球状星団、興味は尽きない。

ちなみに、この球状星団のカラー画像は、3月にチリのハシエンダ・ロス・アンデスで撮影されたもの。

これだけシャープな写真が撮れるのだから、空気の澄んだところなのだろうなと思う。


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