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丘の上のオメガ星団とケンタウルス座A

https://apod.nasa.gov/apod/ap160629.html

この挿絵のような光景は、クレタ島で撮影されたもの。
緩やかな山の斜面の丘にポツリと立っているこざっぱりした教会と一本の木。
晴れた星空の中にひときわ明るい光の塊。
画面の上部近くにあるもう一つの小さな光の塊。

実に綺麗だ。


画面の中央付近の明るい光の塊は、オメガ星団
地球から、18000光年の距離にある、球状星団。

画面中の上辺に、薄く光っているのは、ケンタウルス座Aという銀河。
1100万光年のところにある。

画面右側、地平線のすぐ上に、かすかな光の帯のように見えるのが、NGC4945という銀河で、1300万光年先にある。

https://apod.nasa.gov/apod/ap160427.html

これが、オメガ星団という球状星団。
天の川銀河を周回している、200個ほどの球状星団のうち、最大のもので、1000万を超える星が含まれている。

球状星団に含まれる星は、古く120億年を超え、我々の太陽よりも古い。
宇宙の年齢(138億年)に匹敵するほど古い星の集まりだ。


https://apod.nasa.gov/apod/ap170309.html

これが、ケンタウルス座A。
地球から1100万光年先にある、地球に最もちかい活動銀河だ。

活動銀河。
銀河の中心部の非常に狭い領域(活動銀河核)から、銀河全体を凌駕するほどの強い電磁波を出している銀河のこと。
活動銀河核は、数光年から数十光年以下であり、これは、銀河の大きさの数十万分の1である。
その明るさは、太陽の数十億倍から数兆倍に及び、銀河本体の明るさに匹敵するか、凌駕する。

大きさは、、60,000光年を超える。
この、楕円銀河は、通常の二つの銀河の衝突の結果生まれたものだと考えられている。

https://apod.nasa.gov/apod/ap151119.html

これは、ケンタウル座Aの拡大写真。
中心部の明るさが際立っているのがわかると思う。

また、若い青い星団、ピンク色がかかった星が造られつつある領域、暗い大量のチリが印象的だ。

これらは、この銀河が二つの銀河が衝突してできたことを物語っている。


https://apod.nasa.gov/apod/ap200222.html

これは、さらに拡大した写真。
写真に写っている範囲は、約8,500光年の広さ。
左上に銀河中心核がある。

この銀河中心核には、太陽の質量の10億倍のブラックホールがあると推測されている。
これは、ケンタウルス座Aより、放射されている、電波、X線及びガンマ線の存在からわかるのだ。

https://apod.nasa.gov/apod/ap150528.html

これは、NGC 4945渦巻銀河。
大きさは、天の川銀河とほぼ同程度。

暗いチリの領域と若い青い星、ピンクの星形成領域がある。
活発な銀河だ。

銀河の中央部は、ほとんど見えないが、X線と赤外線の観測では、この銀河中心核からも、ガンマ線等の高エネルギーの放出が見られる。
したがって、この銀河も中央に超大質量のブラックホールを持つ、活動銀河だと考えられている。

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