どんな風に人は死ぬのか

人が死ぬ時は、どんな風にして死ぬのか。
と問われて即答できる人は、医療関係者を除いてあまりいないと思う。

我々は、ありがたいことに、日常的に死の場面に直面していない。だから、死については、ドラマや映画の中でしか知らない。

ドラマや映画では、病院で家族に看取られ息を引き取る。あるいは、事故や戦場で劇的な死を遂げる、ないしは急性の感染症等で命を落とす。
等々のイメージがあるだろう。

しかし、それはまさに生の終末、断末魔であり劇的な瞬間でもある。だから、ドラマや映画に取り上げられる。

ある程度の闘病生活の末に命を終えるという状態は、そんな家族が身近にいて、それを介護した人にはわかるかもしれないが、それ以外の人には分からないだろう。

膵臓癌だと宣告され、このまま放置しておけば1年以内に死ぬであろうと言われた。

そこで、どんな経過を辿って死に至るのか尋ねたら、わからないと言われた。なんでと思った。

1年で死ぬとわかっているのなら、死ぬ半年前はどうで、3ヶ月前、1週間前はどうなっているというようなことがわかっていて当然だろうと思ったのだ。

それが分からないというのが、分からないではないか。

実は、癌の症状というのは人によって千差万別で、こうなったらこうなる、というようなものではないようなのだ。

だから、ある方法で治療すれば必ずある効果があるというものでもない。

つまり、よくわかっていない。
したがって、ある治療方法も、ある人には、劇的効果があるが、他の人には全然効果がないどころか、逆に悪化したりすることもあるということらしい。

癌の種類・進行状況、患者の体力・薬等との相性、患者の環境、もっと言えば患者の精神的状況等々、個人差に大きく影響されるもののようだ。したがって、治療効果も運任せのようなところがあり、予測がつかないようだ。

そんなわけで、ドクターがどんな経過を辿って死ぬのか教えて欲しいと言われても答えられないというのは、仕方のないことなのだ。

断っておくがこのドクターには、とても感謝しているし、その優秀さにも最大限の敬意を持っている。

膵臓癌は2〜3センチの大きさになるまで、4〜5年かかるという。私のは、4.5センチあるから、発症してから10年近く経っているのだと思う。

この間、健康診断等してきたが、誰も見つけられなかったのだ。現に、今回発見された時も、最初に診断してくれたドクターには、異常は認められないと言われた。

ただし、自分は画像解析の専門ではないので、明日専門家に見せて判断してもらう、とこれまた、適切な判断をしてくれた。

そして、このドクターだ。
CTの画像を見て一発で、膵臓が腫れている。何か異常があると見抜かれた。極めて優秀な方なのだと思う。
実際、涼しげな知性というようなものを感じさせる方だ。

さて、そんなわけで死に至る経過というものは、一般的に示すことはできない。
しかし、気になる。
そこで調べてみた。

死に至る一般的な経緯は、分からないが、死に至る直前の状態は、これはわかっているようだ。

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