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ガンマ・カシオペアのゴースト


https://apod.nasa.gov/apod/ap231028.html

右上に青く輝くのは、ガンマカシオペ(Gamma Cassiopeiae)。
画像の上、左側の青みがかかった雲状のものは、IC59、画像の真ん中下寄りにあるのがIC63とカタログされた天体です。

この形を見て、ゴーストをイメージした人がいたらしい。
もちろん、宇宙にいるゴーストではなく、反射星雲と輝線星雲という、星間物質の塊だ。

ガンマカシオペア(γ Cassiopeiae :Gamma Cassiopeiae)
星座に所属する星は、その明るい順にα、β、γ、δ・・・とギリシャ文字の符号がつけられる。
ガンマカシオペアは、カシオペア座で3番目に明る星という意味になる。

ICカタログ(Index Catalogue)
星団、星雲、銀河など、見かけの様子が単独の恒星とは異なる天体を集め、その天球上での位置を示したカタログ。NGCカタログを補足するものとしてドライヤー(John Dreyer; ドレイヤーとも表記)が発表したインデックスカタログ(Index Catalogue)の略称。全部で5386個の天体が掲載されており、1860年分点での赤経順に番号が付されている。

天文学辞典

ガンマカシオペアは、Be星という分類に入る星だ。
B型星は、O型に次いで高温の星で、表面温度は10,000K〜30,000Kに達する。

またBeのeは、星のスペクトルに中に顕著な水素の輝線(emission line)を持つことから、eがついている。

この星は、変光星で周期的にその明るさが変化する。
単独の星ではなく、連星を形成しているものと考えられている。

ガンマカシオペアは、約600光年の位置にあり、ガンマカシオペアと2つの星雲は、3〜4光年ほど離れている。

しかし、画面中央下寄りのIC63は、ガンマカシオペアからの強力な紫外線によって、水素が電離し、その電離した電子がイオン化した水素に再結合する時に、発するHα線によって、赤く輝く、輝線星雲だ。

左上のIC59は、少し距離が離れているので、電離による赤色発光は少なくなるものの、ガンマカシオペアからの光を反射して青く光る反射星雲となっている。


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