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彼岸花と書道の中毒性

秋分の日が近づくと、いつも私は初心に帰る。


その時期は、家の近くの川沿いに赤い彼岸花が咲き、赤色の鉛筆で川を縁取りをしたような景色になる。

さて、私が何の初心に帰るかというと「書道」である。

どうして書道が好きなのか?
それを説明するには、少し時間がかかるのだけれど、人に聞かれた際に最近ではこう言うことにしている。


「彼岸花を見て思い出した」


ある秋の日に赤々と咲く彼岸花を見て、私は書道が好きで、5歳の頃から、自分ひとりで川沿いを歩いてお教室へ通っていたことを思い出したのだ。


確かに、引越しする度に捨てられないものといえば書道道具だったし、何度、断捨離しようとも捨てられないものといえば書道道具だった。その状況が続くので、最近では、書道道具が付いて回る人生なのだと思い込むことにしたのだ。


きっと、誰もがある瞬間に自分の好きなものを思い出したり、気づいていくのだと思う。ただ、大切なのは、私にとっての彼岸花のように、そのサインを見落とさないこと。

書道を好きな人には分かる気持ちかもしれないが、書道にはいわゆる中毒性がある。のめりこんだり、集中したり、目新しい道具に目を光らせたり。

そういえば、子供の頃、彼岸花には毒があるから触っちゃだめだと言われていたような気がする。

「書道」と「彼岸花」

まさかの毒つながり…


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