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ただ生きているだけ

昨日の夕方、大手町からなんの当てもなく歩き出す。どこかの駅にたどり着いたら電車に乗って帰ろうと思っていた。途中で和田倉噴水公園に寄って飲み物を買い、噴水を眺める。キラキラとした水面。耳にやさしい滝の音。だんだんと日が暮れる東京の静かな街並みに、私は手を取られ再び歩き出す。

高速バスが並ぶターミナルに着いて、気づけばJR東京駅にいた。

ただ生きているだけ。
望むものを愛し、生きてきただけだった。

私はこれからどうしよう、と思う。どこだって行ける。この駅からだってどこへでも。水戸駅行きのバスを見つけて不覚にも郷愁を感じる。私はこの人生、最期の息を終えるまでどのように暮らしていきたいのだろうか。
死ぬ先が、決まっているから。生きていくのはこんなに迷いだらけなのだろうか。

嘆くでもなく、喜ぶでもない。
でもできれば喜びを持って生きていきたい。
死に向かって、私は生きていくだけ。

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