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カメラ、 はじめます。

汗をかいた湿っぽい後ろ首に、太いストラップがくい込んでいる。

その正体は黒いカメラ。
父からもらったそのカメラは、使いこんでいるからか結構雑に扱えてしまう。

ちょっとくらい汗がついたって、角っこが壁にぶつかったってへっちゃらだ。

実は3年前、ミラーレス一眼を買った経験がある。

カメラは高級品だ。
だから慎重になりすぎた。

傷がつくのがイヤだ、壊れたらどうしよう。
さらに追い打ちをかけるような嵩張り具合。

一気に外出させるのが億劫になった。
埃をかぶったわたしのミラーレス一眼。

いまは良い持ち主さんに可愛がられていますか?
いっぱい素敵な景色を見ていますか?


京都の街で、あの時よりも重いカメラをぶら下げているなんてなんだか違和感だなぁ。

欲しくてもらったカメラだけど、やっぱり重いし荷物になる。
そんなこんなでようやく本日、お披露目です。

どんな景色が撮れるかな〜
ひとりだからこそ、旅のお供は心強い。

9月といえど晴天の本日。
直射日光がビリビリと肌に降りそそぐ。

木陰を求めて、京都御所へと入った。

何気なく目についた灰色の石。
何かのご縁かな?なんて思いながらそっと拾ってみる。
冷たくて気持ちがいい。

そうだ、記念にこの石を撮ろう。
記念すべきファーストショット。

のはずが、全然ピントが合わない。
何回かチャレンジしてみる。

ダメだ・・・


すぐさまiPhoneを取りだした。
現代人の悪いクセだ。
けれども、すごくクリアに撮れるじゃないか。


カメラよりスマホの方が合っているような気がしてくる。
まるで出鼻を挫かれたような気分だ。

でも持ってきしまったからには、このカメラを持ち歩かなければいけない。
家の近所じゃないんだから、そう簡単にどこかにポンなんて置いてけない。

だからもう少し、いや今日だけはこのカメラを使ってみようと思った。


カメラというのは面白い。
撮ればとるほどコツがわかってくるものだ。

「うわ〜」と心が動かされるような、素敵な写真なんて撮れっこない。
けれどピントが合うだけで喜びが込み上がる。
もっと撮りたい!と思うようになる。

もしかすると、今日はわたしのカメラ記念日なのかもしれない。

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