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にんげん

たくさんの人間がいる。

一人一人違う。一人一人に大切なものがあって、大切でないものがあって、得意なことがあって、不得意なことがあって、好きなことがあって、嫌いなことがあって、それはもう沢山の違いに溢れている。何十億人が住んでいる地球は、何十億通りにも解釈されて存在している。そのどれもが正しくもなければ間違いでもない。誰もその世界に確証を持つことは出来ないまま、それでも必死に、流されないように、液体のように掴みどころのない世界のはじっこを、一生懸命握りしめて、そのせいでたまに誰かと衝突して、それでも生きる。立ち止まっているような気がする。前進が前進とも、後退が後退とも限らない。それでもいつかは歩き始める。
きょうは何か面白いことがあったのに、忘れてしまった。それでも私は生きている。

きっとこれからも、誰かを好きになる。きっと、誰かを嫌いになる。素直に嘘をつく。悲しくなったり怒ったり喜んだりすることもある。信じたり裏切ったりする。まだ何が起こるかわからない。
もし希望があるなら、本当に辛い時だけでいいから、そばにいてほしい。それだけで生きていけるのだとおもう。

もうすぐ春になる。

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