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エピローグ           スターシップトゥルーパーズもしくは第一次カメムシ大戦。

これまでの経緯。
・義父亡くなる
 2019秋 古民家を管理する必要に迫られた。

・スターシップトゥルーパーズ
 2019晩秋 久しぶりに山に行ってみると、山の家は荒れ果てていた。外は猿が我がもの顔で、遊び場にしているらしい形跡。あちらこちらにコロコロとした糞がある。屋根の上までも。どうやら積んである薪を投げ捨てる遊びが流行しているらしい。薪も散乱。
 中に入ると、おぞましいことに、カメムシがビッシリ。スターシップトゥルーパーズの世界観。


・アウトドアという名のレジスタンス
 このままでは、猿と亀虫に占領されてしまうと発奮。山に家はあるものの、何かすることがないと足が遠のく=カメムシ&猿のやりたい放題。足繁く通い、ここは人のテリトリーと判らせないといけない。
 幸いというかタイミングというか、3人の息子と自分は丁度アウトドア、焚き火ブームなのであった。それをここで活用する。昨年はデイキャンプ、焚き火ブームで、隙あらば粕川オートキャンプ場へ行っていた。まさに狂ったように。仕事終わりに行っていたからな。それを今シーズンは山の家でキャンプすることに。
 まずは近くにいる三男を巻き込んで、山の家での焚き火 兼 家の掃除を継続的に行う。ほぼ週一で行く。
 とにかく隙間という隙間にカメムシがびっしりいて、一回やそこらの掃除では追いつかない。加えて独特の匂い。心折れかけることしばしば。猿は猿で行くたびに、整頓しておいた丸太が投げられている。きっとそれが楽しいのだろう。
 しばらくはアウトドア料理を楽しむ。装備としてはペドロマックス ファイヤーポール、スキレット、メスティンなど。一式を、山の家に置いておいたので、昨シーズンのように車にテトリス式満載ということはなくなった。
 子供といったりソロで行ったり。→自分は道具を準備するのが億劫になり、中でのストーブ料理に切り替える。ストーブ焚いて、のんびりして帰るのが週末の楽しみに。

・ついにゴングが鳴る
 次第に人の気がつき、カメムシや猿の気配も薄れた頃。季節は2020春 花桃の咲く頃。

2つの出来事が。
◯床に穴が開く。
◯2階を発見。

 

 どうも畳が湿気っぽくぶよぶよしている。荷物を思い切って片付けて、畳をめくると黒い重厚な床板が現れた。しかし、どうもふかふかする。妙だと思い1枚めくってみると、ぼさぼさになっている。そして、歩いてみるとズボリと踏み外してしまった。
 このままではまずい、白蟻にやられてしまうという恐怖心から部屋にあった棚から冷蔵庫から、半分腐りかけの畳から文字通り外に投げ捨て、黒光のする床面だけにする。
 自分で出来る。ゴングがなる。ゲームスタート。弟が4年ほどかけて朽ちた劇場をリフォームした。されば自分でも出来る。YouTubeは便利なもので、同じ古民家リフォームの動画はたくさんあり、わかりやすい文面で読むより、早送りされる画像を見ると、見通しというか、段取りが感覚として身につく。よしやろう!
 もう一つ、大きな動機が。ハリーポッターのプラットフォームみたく、一度、次男と見つけたはずの2階。暫く入り口がわからなかったが、登り口を発見する。
 脚立で恐る恐る覗いてみると、いわゆる古民家らしい太い梁が整然と組まれ、昔の農家の道具があちこちに散乱している。散らかってはいるが、透明トタンから灯りがさし、広い空間が広がる。
 家の外観はトタン張りで、建物としての魅力に乏しかった。その時初めて建築としての、古民家としてのこの家のポテンシャルの高さに気付かされた。この空間を生かそう!
 どうやら、この家は立派な太い黒い柱で組まれた建物を、外観はトタンで巻き、内装においては極力その古い部分を覆い隠すように、化粧板を貼り、いわゆる昭和で言う現代風にアレンジしたものだと言える。今は、古きを楽しむ時代。少しでもその時代を経た、貫禄のある柱を見せていきたい。
 加えて、その板の間には囲炉裏があった。囲炉裏、風流じゃないか。こいつを復活させたい。そんな思いが湧く。この2つからいろいろとイメージが湧き、古民家リフォームの構想が膨らむ。しかし、2階は置いておいて、先ずは朽ちた床をなんとかしないと。

 静かにゴングがなる。ゲームの始まり。1stステージのミッションは、『板の間の床の張替え、囲炉裏を使えるものにする。』


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