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ワイン知らずのワイン談義:ワインの中に毒!

こないだボルドー系の赤で、あまりにも卵白の味が強いのでちょっと検索をかけたら、赤ワインの製造工程で卵白清澄と呼ばれる工程があり、澱を取り除くことを学んだ(そんなことも知らないシロートです)。しかし17ユーロほどを払ったのにこの味はないよと腹が立つので、さらに検索続行。すると『ワインの中の毒』("Le goût des pesticides dans le vin" 直訳すると『ワインの中の殺虫剤の味』ね。)。という本を書いた人がいるのを発見。フランスのワイン業界では有名な人でカーン大学の教授、Gilles-Éric Séralini ジル=エリック・セラリニさん。あちこちでセミナーを開催して業界の意識改善に努めている。もちろん殺虫剤・除草剤メーカーからの誹謗中傷も受けている。簡単に言うと『ブドウ栽培ほど殺虫剤、除草剤を使う農業はない。当然、殺虫剤の味がワインに残る。味も変わるし、健康に良いはずがない。』というもの。しかも殺虫剤・除草剤が天然の酵母を殺すものだからワインの醸造に人工の酵母を使う業者がいる。しかも、しかもですよ、こうした添加剤(卵白ばかりではない)に敏感な人は頭痛その他の症状を経験する。

ワイン製造はケミカル産業だ!

ということ。

でね、購読契約をしているQue choisir ク・ショワジールという消費者保護団体のページに飛んでみると、2017年12月26日の記事でボルドーのグラン・クリュでは4年前のテストに比べ殺虫剤などの含有率が低くなっているそうです。つまり栽培業者の意識が変わっている。でもグラン・クリュにもかかわらず殺虫剤が多いワインもあるので要注意。

今流行のビオワインはどうかと言うと、これは公的な基準がなく、何をもってビオというのか、と言う問題がまずある(承認団体が乱立)。それにビオを名乗っていても『隠してますね、何か』、というワインもあるということで、本物のビオワインを選ぶのは難しそう。

それからフランスのワイン規格AOC/AOP(原産地統制呼称、原産地呼称統制/原産地名称保護などと訳あり)も今じゃ信用できないよ、とのことです。というのも一本5ユーロのテーブルワインも一本990ユーロのLe Château Laffite Rothschild 2010も同じAOC、これじゃ規格の意味がない、ということです。またAOC/AOPの認可がお役所仕事でワインの個性化を認めない、味が一律になってしまうという批判もある。

ということで素人としてはもう「ワインはボルドーかブルゴーニュ」は止めることにします。世界中のワインを試してみる!でも殺虫剤には気をつけないと。

そうそう、ク・ショワジール(2019年9月18日)が太鼓判を押すビオワインはキュヴェ« Le Paradis » (Régnier-David) と « Trinch » (Breton)です。殺虫剤の残渣が全く認められなかったとのこと。それから亜硫酸塩(酸化防止と微生物増殖防止用の添加剤)を使用しないためにビオワインには『獣味』、『鼠味』と呼ばれる不愉快な味が現れることがある。これがないビオワインは« Ad Libitum » (Déléchenau), « Le Paradis » (Régnier-­David), « Trinch » (Breton), « La Mère-Grand » (Le Loup Blanc) そして « La Compagnon » (Ledogar)とのこと。

こうなるとワインは素性の分かったワイナリーから直接仕入れるのが一番なのかも。

次回はもう少しビオワインに検索をかけるつもりです。

乞う御期待!!

絵: アクリル F15 


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