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ゴールズワージー『林檎の樹』

例えばこんな経験ありませんか?
何も思わずに来たところが、実は昔の彼女、友達との思い出の場所だと気づき、急に当時のことが思い浮かんだ。

高校の頃付き合っていた彼女の家の近くの大きな橋。
当時、国語の授業でならった萩原朔太郎の「大渡橋」が好きで、その橋を見るといつも思い出していました。
ユーミンの「川景色」もそのころによく聞いていた曲。
どちらもその景色とともに思い出になっていました。

それから30年余りたち、たまたま抜け道として通ったその橋を見て、一瞬で当時の思い出、「大渡橋」、「川景色」が浮かんできました。

ゴールズワージーの「林檎の樹」。
あまり有名ではないかもしれませんが、ノーベル文学賞受賞作家です。
銀婚式の日、妻とともに若い頃の思い出の地を訪問したとき、その風景から学生時代の出来事を思い出します。
純粋な田舎の娘と恋に落ち、結婚を約束したにもかかわらず、自分の勝手で別の女性を選んでしまったこと。
懐かしさと哀愁の念で昔の思い出をたどり、その娘のその後を知ることになり、深く後悔する。

きれいな思い出のストーリーではないですが、印象に残る小説です。

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