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【詩】自責


自分が損なわれるのを恐れて
善良な人を傷つけるな
たとえそれが避けようのない過失であっても
間違っても相手の非を探すな
事態を変えようと試みもしないで
仕方のないことだと耳をふさいでいるとき
いつだって悪いのは自分なのだから
百歩譲って
それが避けようのない事故だとして
巻き込まれた相手が
どのような怪我を負い
心を痛めているか
それを想像することはできたはず
そうしなかったのは
自分の罪と向き合っていないから
罪は影のように足元から離れず
どこまでもついてくるというのに
切り捨てた気になっていたのだ
靴についた枯れ葉を払うごとく
暇があれば死にたいとぼやくお前が
なによりも大事にしているのは
やはりお前ではないか
安い笑い話だ
自分は人間の屑だと言ってみろ
己の弱さと向き合えないくせに
死にたいなどと
百年早い
もっと他人の傷に敏感であれ
悲しみに寄り添え
怒りに同じ震えを持て
それがいつか
自分への許しになるはずだから

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