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見上げる先は空

大人が空を見上げるのは、子供の頃の名残りなのだと思う。

でも今では、首が痛くなるほど見上げても、見えるのはただ流れる雲なのだ。散りゆく桜なのだ。あるいは夜の闇に溺れる月なのだ。

見上げた時、私達はそこに見えたはずの顔を脳内に思い浮かべる。

月が綺麗だよと、誰かに教えたくなる。

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