見出し画像

エデンの園

今月、田舎を離れまして、それからそこそこ経ちました。

あの、己の死体が化石として発見されたらめっちゃ嫌じゃないですか?

死体じゃなくてもいい、なんか……家とか……
よく教科書に載ってる「○○住居跡」とかあるように、「(自分の苗字)住居跡」ってなったら死ぬほど嫌じゃないですか?

私は心臓が止まったらスマホとかパソコンのデータ全部完全消滅するような仕組みが開発されたら秒で契約したい人間ですが、それくらい化石になるのが嫌です。将来は散骨が良い。忘れ去られたい。

まぁそれはそれとして他の人間のことは好きなので、都会の墓を散歩したいなと思っています。

「OKGoogle、最寄りの墓」って調べたら、某文豪のお墓がヒット。
そこそこのビッグネーム文豪が近場にめちゃめちゃ埋まってる〜! 嬉〜!

ステイホームやな~~と思ってしばらく家から出ないようにしてたら家の中で腐りかけたので、やはり定期的な外出か人との交流は大切ですね。(勿論密は避けつつ)
なので特に予定はない日はお墓のお散歩をしたい。候補。

地元の墓には墓参りするときくらいしか行きませんでしたが、墓歩くの楽しいから好きです。
家紋が好き。あと掃除されてたりされてなかったり、萎れた花や砂埃にまみれた造花、火の消えた線香、ゴミ捨て場、そういう人間の痕跡を見たりするのがすごく好きです。

あぁ、そういや一度だけ墓を散歩したことありました、地元でも。
小学生のとき。冬場、ランドセルを背負って、下校の時にちょっと寄り道して、長靴で、雪の積もった墓場をザクザク歩いて。
そこは斜面のある霊園だったので、かなり昇ったときの景色は壮観でした。

都会に住むと、情報量で日々死にそうになります。
建物、看板、に刻まれた文字、電車、を照らす灯り、に流れる電力、を運ぶ電線、が切り裂く大きなビル。
すべてが必要とされて考えられてそこに置かれたものであり、人の意思が関わっている。
ということを知覚すると、その多さにオェッ……てなります。需要供給対価報酬劣化再生。

それが墓に行くとちょっと落ち着くのはやはり死と共にあるためでは。
死ななけりゃあ、墓は作られないので、墓ができるのは、大手を振って歓迎されることではないのでしょう。ピラミッドとかタージマハルとか古墳のことは今は考えない。

誰だって基本的には死にたくない。身体は残酷にも、生きるための構造をしている。
追加パッチで死にたみが溜まる心を得ちゃうことはあるけども。わかる〜〜〜死にたいよな〜〜〜死にはしないんだけど死にたくなるのは各々自由だよ。希死念慮。

というわけで墓を散歩するためにあれこれ調べているんですけどいや都会の墓広〜! 大〜! 多〜!
生きる人も多けりゃ病む人も死ぬ人も多いんですね、スケールが違うや。
みんなどうやって死んだんだろう。最近電車乗ってたら人身事故の影響受けて遅刻したこと思い出しました。

どう死ぬか誰にもわからない、なのにみんな死ぬことは決まっていると考えると非常にワクワクしてきます。
あの人もあの人も、恨みで刺されるかもしれないしうっかり後頭部を打つかもしれず、病気とかかも、急死かも。疲労で眠ってそのまま事切れることもあるかも。私も。いつか必ず死ぬ。いつか必ず死ぬ。

安かったからまとめて買った野菜、多めに炊いたご飯、いま食べたり飲んだりしないぶんは全部冷凍しています。
明日生きてるかわかんないけど冷凍しています。

死んだ私の身体が冷たくなって、冷凍庫にねむる私の痕跡に追いつけず、夏の生温さに浸るさまを想像しながら眠ります。

でもね、私の中で、たしかに輝いてるんですよ。

いのち。

画像1


エデンの園は特に関係ないです。

あそんでみてください↓


この記事が参加している募集

今月の振り返り

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?