パンみみ日記「男たちが好きなフルーツを語る職場」
日々のできごとをかき集めました。パン屋に置いてある、パンの耳の袋のように。日常のきれはしを、まとめてどうぞ。5個くらいたまったら店頭に置きます。
3月17日(日)
久々にお気に入りの図書館へ。受験シーズンが終わったためか、高校生が少なくて空いている。ゆとりあるスペースで文学フリマ用の原稿を書いた。
既存エッセイの加筆修正、新規エッセイの書き下ろし、「はじめに」と「おわりに」の執筆を終え、原稿が出揃った。
頭の中のスタッフが「よさくさんクランクアップで〜す!」と告げる。脳内で花束をもらい、「いやぁ、やっぱりこの瞬間って感慨深いものですね」とコメントする。
校正や表紙デザイン、データ結合などやることは盛りだくさんだけど、ひとまず安心。いつのまにか文学フリマまであと2か月。エッセイ本完成まで駆け抜けるぞ〜!
3月18日(月)
のどに違和感があり、「このあいだ食べた鮭の骨が刺さっているのでは」と不安になり、耳鼻咽喉科へ。
院長1人に対し看護師さんが5人ほどスタンバイしており、爆速で患者を捌いていた。マクドナルドなんか?と思うくらいテキパキしている。
麻酔をかけ、鼻の穴からカメラを入れ、のどの様子を見てもらう。はじめての体験で怖すぎたのだけど、看護師さんたちが「うまいね〜」「上手だね〜」と声をかけてくれたので耐えられた。小学生だと思われていたのかもしれない。
結果、院長に「なんもないね」と言われた。親知らず抜歯が生み出した幻影なのかもしれない。とんだムダ鼻カメラだった。
これだけで帰るのはあまりにも手柄がないので、花粉症の薬をもらった。さっそく飲んだら、殴られるような睡魔に襲われ、家でぐっすり寝た。あの薬は睡眠薬だと思っている。
3月19日(火)
会社でランチ。同僚たちと、手作りゲーム「人気のおやつを当てよう選手権」の別バージョンを開催する。
ぼくは「マンゴー、ライチ、マスカット、メロン、梨」の順に発表。そして、参加者たちも好きなフルーツを伝えるのだけど、想定以上に票が割れる。
「バナナが入ってないのはおかしい」「なぜ桃の存在を忘れていたんだ」「キウイは野菜ですか?」と議論が白熱した。
結果的に、ブドウと梨が人気だった(とはいえ、ほぼ同票)。人気のフルーツ当てるの、むずかしい…!
タイヨウさん(この世の主人公みたいな先輩)がパイナップルについて熱く語っていた。
「家にパイナップルの芯を削り出す器具があるんですよ」
パインガチ勢がいる。
弊社は男4人でフルーツについて真剣に話し合える、アットホームな職場です。
3月20日(水)
祝日。駅の近くを歩いていると、新しいラーメン屋がオープンしていた。なかなかおいしそうだ。少し並んでいたので、最後尾にスッと入る。
すると、ぼくの後ろにおばちゃんが並び出した。おもむろに、ぼくの顔を覗きこむ。
「あの〜、ここっておいしいんですか?」
知らない。ぼくもはじめてだ。「ぼくもまだわからないんですよ〜」と返すと、おばちゃんは「あら〜」とつぶやき去っていった。
ぼくのせいで、見込み客を1人失った。「ぼくもはじめてなんですけどね、うまい店センサーが反応してますわ」くらい粋なことを言えば、おばちゃんを引き留められたかもしれない。
お店に申し訳ない。お詫びにトッピングを追加で頼んだ。
3月21日(木)
最近ハマっているバンドの、初ワンマンライブチケットが当たった!仕事帰りの電車で小さなガッツポーズ。
バンドの名前は「サバシスター」。Youtubeのオススメに出てきて、「SHISHAMOの妹なんか?」と気になって聴き始めた(全く関係なかった)。
独特のストーリーとメッセージ性に虜となり、彼女たちの曲が通勤のお供になっていた。
1番好きな曲は「ジャージ」。メルカリで横取りされたお気に入りのジャージに、失恋を重ねて歌いあげている。
今月メジャーデビューしたばかりなので、「比較的早いうちから応援できてるぞ!」というワクワクもオプションになっている。
勢いでチケットを2枚買ったので、これから誰かに布教して連れて行くしかない。サバシスターのプレゼン能力を鍛えるぞい!
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