[佐多ハルカ 夢?SS(女主)] 幻想邂逅

ハルカくんはやっぱりどこか変わった人だ、と、目の前の端正な顔を見つめながら思う。見つめられている当人は、私の視線には気づかずに目の前のガレットに集中している。
「ガレットってどうやって食べるのが正解なんだろうね?」
「普通に切って、具材と一緒に食べるらしいよ」
私は事前に調べてきた付け焼刃の知識で、自分のガレットの卵を潰して混ぜ、生地をひときれ切り、具材を乗せて見せた。ハルカくんが感心したように私を見てくれているのは正直、悪い気持ちではない。そのまま私がガレットを食べると、ハルカくんはなるほどねー、と言って私をまねてガレットを食べ始める。ガレットなんて普段食べないから他と比べてどうかは分からないが、有名な専門店だけあって記事も具材もとても美味しい。普段は口にしないような料理だからか、ハルカくんとの買い物デートの締めくくりにぴったりな特別感があった。
「ガレットよく分かんないけどおいしいねー」
ハルカくんが上機嫌に笑いかけてくる。そのままアルコールの入ったグラスに手を伸ばし、グラスに口づけ、一口静かに飲み干した。その動作の一つ一つがどこか妖艶で、そして、底知れない。よく分からないのはハルカくんの方だよ、とは言えなかった。もちろん、ハルカくんは親しみやすい、とても素敵な人だ。だから私は、心からの笑顔で、ほんとだね、と答えた。

アルコールを出すお店らしく、店内はムードのある照明で彩られ、シックな調度品と相まってどこか声を潜めたくなるような雰囲気があった。周りにいる客もカップルや女性客がほとんどで、みな落ち着いて話をしているようだった。私とハルカくんの間にも、沈黙を含んだゆったりとした空気が流れる。時折口を動かし、にこにこ笑うハルカくんを見て笑顔を返しながら、私は今日一日感じていた違和感について考えていた。最初は、ハルカくんが他の人とは違うという、カリスマ性みたいなものを持っているのだと思っていた。実際今日会う前からそれは思っていたし、デートだから特に意識してしまうのだと気に留めていなかった。けれどハルカくんと過ごすにつれ、その違和感は大きくなり、カリスマ性という言葉では説明がつかないくらいの大きさになった。人と、人間と何かが違う。ハルカくんと一緒にアクセサリーを見て、一緒に笑いあって、ふとした瞬間にドキッとして、そんな素敵なデートの裏で、冷静に、ハルカくんの違和感だけを見つめている私が、確かにいたのだ。ハルカくんを見る。私の中の違和感を見る私もハルカくんを見る。そこにいるのは、ハルカくんではないような気がした。
「ちょっと、お手洗い行ってくるね」
ハルカくんが席を立つ。違和感が消失し、おしゃれな、普通のレストランに私はいた。お酒を飲めない私は代わりにジュースを飲む。お酒を飲んでいないということは、私は酔っていないということだ。冷たい液体が喉に流れ込む。とても甘い、甘い林檎の味が口に残る。今日は楽しかったな、とふと思った。

「ただいま」
ハルカくんが戻ってきたとき、何かが私に触れた気がした。そして多分、私の中の何かが壊れた。
「さっき戻るとき他の人の席見てきたんだけどさあ」
ハルカくんの声がこころもち小さいのは見てきたという他の席の人に聞かれないためだろう。この店のこの席からトイレまでの道にテーブルは14個あった、さっき私がトイレに行ったとき目に入ったはずだ、うち埋まっていないのは1つだけだった、さすがは有名店。どうして他の人の席を見たんだろう、料理を見るため、かわいい女の子を探すため、たまたま目にとまっただけ?席を見るというのは座る場所という本来の意味では椅子を見たとも解釈できるがこの文脈ではそうではなくテーブル全体を指すはずだ。
「クレープめっちゃおいしそうだったよ」
クレープはガレットが元になった料理で日本では甘味を指すことが多い。この店のメニューにもデザートとしての位置づけで甘いクレープのメニューが多く載っていた。おいしそうという味覚に対する主観的な予測が可能なのはクレープを食べたことがあることや構成される生クリームやフルーツなどの味を知っていることが大きいだろう、ガレットでは難しいかもしれない。このような発話の意図は単に――思考が止まらない――自身の感覚を報告するためのものではなく自分がそれを食べたいということの提示、さらに一緒に食べようという誘いも兼ねていると考えるのが妥当か。
「ねえ、どうした?大丈夫?」
心配そうに私を覗き込むハルカくんの瞳に映る私の姿は確かに常軌を逸していてショートしたロボットのように視線がどこかに固定されていて全く身動きがないハルカくんの赤い瞳はまるで宝石のようでその表情から私を心配しているのが分かる店内の照明は夜のデートに適した光量で直接人物を照らすことがないように設置されているハルカくんはゆっくりと私に手を伸ばす私が言うべき言葉は――

「ボクの家に行くよ」
――思考の濁流が無停止に無秩序に観測対象を分解し理解する、過剰な分解は理解とは異なり理による統合を伴わず状況の把握に困難が生ずる。
「大丈夫だから。歩ける?ついてきて」
佐多ハルカが私の手を引き私の体がそれに答える。体の動きが先で思考はそこから3秒は遅れている。体が動くと観測範囲が変わり情報が増えまた思考が溢れる。
「ついたよ。ここがボクの家」
――過剰な思考の中から私の理性が辛うじて掴み取った一路の理から状況認識を再構築する。異常な思考で真面なやり取りが困難になった私を佐多ハルカは介抱しながら家へと連れてきた。その間のことを私はほとんど何も明瞭には覚えていない。明瞭に理解しすぎてそれが何だったのか分からなくなっている。
「いらっしゃい」
瞬間、耳鳴りが収まるような心地がして、私は私を取り戻した。ハルカくんが扉を閉める音がやけに大きく聞こえた。ハルカくんの家の玄関はあまり物が多くはなかったが、どちらかというと雑然としていて、スニーカーなどが無造作に置いてある。そのスニーカーは以前大学でハルカくんと会ったときに――危ない、何かに注目すると頭の中がそれにとらわれてしまう。
「散らかってて悪いけど、上がって」
久しぶりにハルカくんの顔を見た気がする。こちらを気遣うような優しさと、ハルカくんなら何とかしてくれるんじゃないかと思わせてくれるような鋭さとを同時に感じさせてくれる微笑みが私に向けられている。私は何とか笑顔を作って、靴を脱いで部屋へと上がった。ハルカくんの部屋に上がるということの意味を、なるべく考えないようにする。だってデートの後に部屋に――私は静かにハルカくんの後に続いた。

「それで、少し良くなったみたいだけど、大丈夫そう?」
部屋のソファに座る私に、ベットに腰かけるハルカくんが尋ねる。
「あんまりよく分からないんだけど…ハルカくんの家に入ってからだいぶマシになった…かな?」
私は私が発した言葉を一言ずつ確かめながら話す。私の意識の裏では常にいくつもの思考が渦巻いて私の脳のリソースを圧迫してくる。それでも確かにハルカくんの家に踏み込んだ瞬間から意識までもが思考の海に飲み込まれることはなくなった。今日ずっとハルカくんに対して感じていた違和感は、いつの間にか親しみのような感情に溶けてなくなっていた。
「よかった、と言うべきか、ごめん、と言うべきか」
ハルカくんが複雑そうな表情で顔に手を当てる。
「どういうこと?」
「多分それ、ボクのせいなんだよねー…」
私の思考が状況を推理しようと新たな情報になだれ込むのを私は何とか押しとどめる。精神あるいは思考の異常を促すことができる能力を持つ佐多ハルカという人物は一体何者なのか――私はハルカくんの言葉を待った。
「後で説明するからさ、その前に、今どういう風になってるか、教えてくれない?」
ハルカくんのあいまいな質問の意図を私はしっかりと理解して答える。
「考えるのが止まらなくなって…。目に入ったもの、耳で聞いた言葉、五感から得た情報、それを理解して出てきた思考そのものも全部理解しようとして。ハルカくんの家に入ってから何とか意識は保ててるんだけど、それまでは理解しようとする思考が私の頭を埋めちゃってた」
「なるほどね…」
ハルカくんは私の話を聞きながらスマートフォンで調べ物をしていた。あのスマホの機種は、フリック入力の動作、スマホケースの柄は――私は何とか自分の言葉を言い切った。これが何であるかはずっと考えていたことの一つだ。私さえ取り戻せれば、スムーズに言語化できた。
「何か分かるの?」
「全部分かったよ」
ハルカくんがスマートフォンから目を離し顔を上げる。石榴のような深い紅の瞳の奥には不敵な自信が見て取れる。わずかに口の端を上げて私を安心させるように微笑んでいる姿に私はなぜか鈍く光る冷たい刃物に触れたような気持ちになった。目の前にいるこの人は私にとって完全に安全な存在ではないのだと思ってしまう。ハルカくんと私は今私的な密室空間に2人きりで、手を伸ばせば触れられるほど近い。ハルカくんの座っているベッドのシーツにできた皺は波打つ浜辺の――ハルカくんが私の思考を遮った。
「謝らないといけないことがあるんだ。実はね、ボク、普通の人間じゃないの」

ハルカくんが続ける。
「妖怪って信じる?あるいは幽霊は?ボクはどちらかというとそれらに近い。幻想、とボクらは呼んでるけど…君たちが怪異と呼ぶような現象は実際に存在するんだ」
幻想という言葉に抱いた親しみは、私という存在も今ではそちら側にあるのだということをまざまざと実感させてくれた。今遭遇しているこの現象こそまさに怪異だ。そしてそんな怪異に侵されることを、人々は昔からこう呼んでいたのだ。
「呪い、だ」
「そう呼んでもいい。そしてそんな怪異が当たり前に存在する、この日本とは別次元の日本、幻想日本。ボクはそこから来たんだ」
幻想日本から来た存在なら、佐多ハルカは怪異そのもののはずだ。ただ今の今までそれに気づかなかったくらい、幻想日本出身の怪異は人間に似ている。幻想日本と呼ぶくらいだ、そこには現実の日本と何らかの類似がある。つまり幻想は無秩序に出現するのではなく、現実世界を反映した形で、現実世界に重なり合うように存在しているということだ。そして幻想日本における人間に相当するのが佐多ハルカという存在なのだろう。であれば、佐多ハルカが先ほど口にした「ボクのせい」は、佐多ハルカという幻想が私と接触したことによって私に呪いという現象が発生したことを指すと推測する。つまり。
「ハルカくんの近くにいたから、私に呪いがかかった」
「…端的に言うと、そうなる。ただ、逆に言えば当然」
「ハルカくんはこれを治す方法を知っている」
「ご名答」
ハルカくんが嬉しそうに笑う。
「口で言うより見てもらった方が早いかな」
もちろん、ハルカくんの言っていることは事実だと私は理解している。しかしハルカくんはそうは思わなかったらしく、中空に手をかざした。動きにつられて指先を見ると、手元の空間が歪んで何もないところから繊細な飾りの施された杖が現れた。座っているハルカくんの頭と同じくらいの高さの細身の杖を軽く振って見せてくれる。
「どう?」
当然ながら物理法則を無視している。幻想日本との境界は至る所にあってどこからでも幻想側の物を取り出せるのか、あるいは佐多ハルカの家であるからこそできるのか。そういえばハルカくんの家に入ったとたんに症状が緩和されたのはこの部屋自体に幻想との関連があるからなのだろうか。ハルカくんが立ち上がる。促されて私も立ち上がる。
「これで信じてもらえた?ボクは魔術が使えるんだ。じゃあ、ちゃちゃっと治しちゃおうか」
ハルカくんが杖を床に突き立てる。私の周りに紫の光の円陣が描き出される。私に何らかの魔術を施そうとしていることは容易に見て取れた。杖の周りの空間が歪む。どこからともなく1匹の蛇が現れ杖に巻き付く。そのシンボルはギリシア神話の医神アスクレピオスの杖。医術のシンボル、治癒の象徴。幻想は現実と重なり合って存在している。円陣が淡く光を放って、私は私の呪いが治ったのだと言うことを「理解」した。

「ごめんね、結局泊めてもらっちゃって…」
翌朝、目を覚ました私は申し訳なさそうに伝える。あの後一気に頭に疲労が来て、まともに起き上がることもままならなかった私は、家主を差し置いてベッドを占領して寝込んでしまった。疲労の取れた脳は以前の自分とは見違えるくらい冴えわたっている。
「何とか無事に治って良かったよ。今はもう大丈夫?」
「うん。というか、前より頭がよくなったみたい。いろんなことを考えられるようになったみたいで…後遺症だったりして」
可能性の一つを口にすると、ハルカくんが申し訳なさそうな顔をする。
「むしろ得したと思ってるから気にしないで!」
「君はボクを怖がらないんだね」
少しだけ不安そうな声。私は、ハルカくんが悪い存在ではないということをなぜか分かっていた。
「ハルカくんはハルカくんでしょ」
ハルカくんがむずがゆそうな笑みを浮かべる。
「ほかにもいろいろ、説明しないといけないことと謝らなきゃいけないことがあるんだよね」
私は無言で続きを促す。
「昨日のあれが何だったのか、君には知る権利があると思う…けれど、ボクにも詳しいことは分からないんだ」
それからハルカくんが一つ一つ説明を加えていく。幻想が現実世界に存在する人間に対して干渉力を得る現象、幻想感染は、幻想日本出身者との接触で発生しうるということ。ハルカくんが私と接触したことで昨日の幻想感染が発生した可能性が高いこと。昨日の幻想は人の理解する機能を過剰に働かせる力を持つ幻想で、ハルカくんも初めて見るものだったこと。ひとつひとつ語られる事実を、私は極めて容易に理解することができた。昨日のように理解と推測を重ねて結論を先取りしてしまわないよう私は思考を抑制し、しっかりと聞き手に回る。
「だからあの幻想を解く方法なんてボクは知らなかったんだよね」
「じゃあ、どうして私は治ったの?」
「幻想はね、人間の認識によって感染するんだ。病は気から、という言葉の通り、幻想感染はその人間が幻想にかかった、と意識的・無意識的に認識することで起こる。逆に、それを解くには、幻想が解かれたと認識させるのが最も基本的な方法なんだ」
私はハルカくんの言葉をゆっくりと咀嚼する。私に残った理解の力の残滓は抽象的な議論の理解に大きな助けになってくれる。
「つまり、治ったって思いこめば治るってこと?」
「極論を言うと、そう。ただし、無意識のレベルでしっかり納得していないとダメなんだ。意識で思い込もうとしても、無意識が信じてしまっているというのはよくあることだね」
つまり、私はハルカくんによって治ったと思い込まされたということになる。
「そんな顔しないで。ちゃんと治ってるから。理解が過剰だった昨日の君なら、ボクがそれっぽい物言いでそれっぽい魔術を見せてあげれば、それが症状を治すものだと『理解』してくれると思ってね。うまくいって良かったよ」
ハルカくんによると、幻想には定番の治し方があるんだそうだ。紫鏡という都市伝説では、「白い水晶」という言葉を覚えていることが呪いから逃れる方法と言われることがあるが、それに近いイメージらしい。つまり、この呪いから逃れるにはこう唱える、という知識が信じられている状態で、実際にその行動を取ることが、そのまま治す方法になる。今回のようにどんな幻想かも分からない場合は定番の治し方も存在しないため、治すのは難しいのだという。
「だったら、私はラッキーだったね。ハルカくんが機転を利かせてくれたおかげで治ったんだし」
「でも、元をたどればボクのせいで危険な目に遭わせた」
ハルカくんの言葉にいつもの自信は感じられなかった。

「やっぱりこっちには居られないかな」
気落ちした声でハルカくんがぼそりとつぶやく。私は、このままいくと責任を感じたハルカくんがいなくなってしまうのだと理解してしまった。脳をフル回転させて、次に言うべき言葉を探す。幸い、進化した私の頭脳は私の望みを十全に叶えた。
「ハルカくんのせいだって決まったわけじゃないでしょう?」
ハルカくんが私を訝しむような目で見つめる。
「それはそうだけど…」
「そもそも、ハルカくんは昨日の幻想を全く知らなかったんだよね?幻想が認識から発生するのなら、私にそう認識させた存在がいるはず。ハルカくんが知らないことを私に認識させるなんてこと、あり得るの?」
私は口調を強めて尋ねる。そもそも私は、昨日の幻想に誰かの作為めいたものを感じていた。どこかで災いの種が植えつけられており、ハルカくんとの接触はその種が芽吹くきっかけに過ぎなかったのではないか。根拠のない考えだが、その根拠は昨日味わった思考の濁流の向こうにあるような気がした。
「ボクが考えもしなかったことが幻想感染する可能性はゼロじゃない。無意識に考えていることかもしれないし。ただ、確かに…ボクは魔術で、他人に幻想感染させないようにある程度の対策はしているんだ。万全じゃないし、君がボク以外の幻想存在に触れる機会がないと思ってたから、ボクが原因だと決めつけてたけど、そうじゃない可能性は確かにある」
ハルカくんの考えが揺らいだ。私はその揺らぎを見逃さずに踏み込む。
「だったら、ハルカくんが責任を感じる必要はないじゃない」
「そういうわけにはいかないよ。ボクが原因である可能性がある以上、他人を危険には晒せない」
「原因が分からないままにしておく方が危険じゃない?」
私の発言にハルカくんが首をかしげる。
「もし、今回の幻想感染の原因がハルカくんじゃないとしたら、その原因は他の人にも幻想感染を起こしているかもしれない。それを放置しておく方がよっぽど危険だよ」
「確かにもしそうなら、ボクも幻想日本の人間として原因を突き止めるべきだと思う。でも、それと同じくらい、ボクが感染源になるリスクもある」
私は意を決してハルカくんの目を見据える。
「そうなったら、私が治すのを手伝うよ」
ハルカくんがはっとして私を見つめ返す。
「今回の件で、色々と『分かった』から…私なら、たぶんハルカくんの力になれるはず。ううん、力になりたいの。ハルカくんがいなくなっちゃうくらいなら、私が手伝うから、ハルカくんが原因じゃない可能性を探ってほしい。理由はうまく言えないんだけど、昨日の幻想はハルカくんからじゃない気がするんだ」
ハルカくんは長い時間黙ったままだった。私はただ、ハルカくんが結論を出すのを待った。しばらくして、ハルカくんが私にふわりと笑いかける。
「そこまで言われちゃったら、ボクが逃げるわけにはいかないね。やってみようか、幻想探し」
私はほっと胸をなでおろす。経緯はともあれ、これでハルカくんと一緒にいる理由ができた。ハルカくんの秘密を知り、目的を共有する仲になれたのは大きな収穫だ。脳をめちゃくちゃにされた甲斐があったというものだ。
「えっと、じゃあ、よろしくね、ハルカくん」
「頼りにしてるよ」
ハルカくんの笑顔の裏に潜む妖艶さが、今ではとても頼もしく思えた。



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