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DAY 21. ラパスからボゴタへ

1月25日
ラパスを離陸

フライト Avianca224便 03時05分 ラパス発ボゴタ行き
1時過ぎまでに空港に行くためには、22時にはシャワーを浴びてパッキングしなければならない。
少し仮眠し、0時にチェックアウト。ホテルに依頼してあった車で空港へ向かう。
ラパスの国際空港ではあるが、国際線は数えるほどしか就航していない。深夜もこの便だけが唯一の国際線。1便しかないのに、チェックインカウンターは既に長蛇の列。やっと荷物を預け、出国手続きを終えて、搭乗口付近で腰を下ろす。

第1のイレギュラー発生
ボーディングパスを見てみると、座席の欄に「SBY」と書かれている。恐らくスタンバイの印だと思われる。話にはよく聞くが、航空会社はキャンセルを見越して、座席以上の席を販売するという。予約の客が全部空港に来れば、乗れなくなる人が出てくる。もしかしたら、自分もオーバブッキングでフライトに乗れないのではないかという不安がよぎる。
搭乗口の係員にどうすればいいのか詰め寄ってみた。席が決まったら名前を呼ぶから待てという。気が気ではなかった。
自分より大事な用事で同じ便に乗っている人もいるだろうから、旅行気分の自分が主張すべきではないが、世界一周のフライトが途絶えると、次の便にドミノ倒しのように調整する必要が襲ってくる恐怖で、じっと名前を呼ばれるのを待っていた。

ただでさえ、スペイン語訛りの英語なので聞き取りにくく、恐らく聞き漏らしていたのか、既に搭乗が始まってしまった。
再びカウンターに行くと、男性係員は、自分の搭乗券に新しい席をボールペンで上書きして渡してくれた。そのまま、ボーディングブリッジへ促された。席を見てみると「5E」本来は追加料金を支払って座れるアップグレードな席だった。座席の選定の裏事情は不可解である。

第2のイレギュラー発生
席に着く前に第2の不可解なことがあった。
ボーディングブリッジから機内に入ろうとすると、先頭の客は飛行機の扉の入り口の前に止められ、機内持ち込み荷物を通路に一列に並べ始めたのだ。客は機内に向かって左側。荷物は通路の右側にそれぞれ並べ始めた。綺麗に並べ終わると、どこからか、犬(おそらく麻薬探知犬)と警察が付き添って荷物を嗅ぎ回って去って行った。
2〜30人単位でこの調査をしてから機内に案内されるので、全員が乗り込むまでものすごく時間がかかる。南米ならでは体験であった。

ボーディングデッキで、麻薬探知犬のチェックを終えて機内に乗り込む乗客

ボゴタ

定刻を少し遅れて標高4,000mのラパスの国際空港を飛び立った。

3時間程のフライトの後、少しだけ明るくなったボゴタのエルドラド国際空港に到着した。
前回はトランジットで空港内だけの滞在だったので、初めてのコロンビア入国。

タクシーでホテルに向かった。85,000COP(100,000COP=3,753円)日本円で2,400円。通貨が変わると円換算が頭の中で追いつかない。スマホ必須。

車窓からの景色は明らかにボリビアとは違う。何か昭和の戦後の景色から近代社会にタイムスリップしたような感覚。
まず坂道がない。道や歩道が整備されている。歩く人たちが北半球の先進的な国々にいるような印象。表層的なファーストインプレッションに過ぎないが…。

車窓から見えたもうひとつの違和感。街を覆う小高い山の上からもうもうと噴煙が上がっているのだ。果たしてボゴタの近郊に活火山はあっただろうか?煙は街の外れも覆うほどの量で不思議に思っていた。

3〜40分ほどでホテルへ到着。午前7時過ぎ。
昨夜からほぼ徹夜の移動だったので、疲れが溜まっている。
フロントで今部屋を提供する場合は、一泊分支払えば案内できるという。。7時から12時過ぎまで土地勘のない場所で時間を潰せる気力がなかったので、一泊分追加して、部屋で大の字になり、ひと休みしてホテルの朝食を摂り、再びお昼までベッドの中で爆睡していた。

ボゴタ市街ぶらり散歩


疲れが取れたので、いざ街歩きへ。
色々ないわゆる人が集まる旧市街へは歩いて行くには遠すぎる。
とおりからUberを呼んで移動。20分の移動で600円交通機関は相変わらず破格の安さ。

黄金博物館

有名な「黄金博物館」を訪れる。
入り口でセキュリティチェックを受け、チケットボックスへ行くと、観光客に人気で混雑していた。ふと価格表をみると、12歳以下と、60歳以上は無料の文字が。
試してみようと、パスポートを出して年齢確認で無料になるか聞いてみようとしたら、窓口のおばさんは、パスポートを見ずに、サッと無料入場券を差し出してくれた。うれしいやら、情けないやら。まっでもコロンビアに感謝して堪能した。

Senior $0.    (≧∀≦)
何年前なのか、船橋西武で開催されたポスターが貼られていた

無料で黄金を鑑賞させてもらい、再び街歩き。
道路の両側には、パフォーマーや飲食の露店もひしめき合って出店して街の賑わいに一役買っていた。この旧市街のエリアも、他のエリアでも、露店は多いが、ラパスとは決定的な違いが、地面に座り込んで物を売る光景は一切ない。逆に、ラパスでは、ほとんどの売り子さんは、歩道に風呂敷を広げ、その上に座り込んで、持ってきた物を広げているのが普通だった。
また、ラパスでは、いわゆる世界のチェーン店の店舗は全く見なかったが、ボゴタでは、マクドナルド、ダンキンドーナツ、ケンタッキー、サブウエイ、スタバ。なんでもある。
人種もペルーやボリビアのように太古から引き継いだDNAにスペインが混血されたような印象で、アジアからカムチャッカを渡ってアメリカ大陸を縦断して南下してきた、日本人との親和性を感じられた。(ちょっと日に焼けた隣の畑仕事をしているおっちゃんやおばちゃんのような)性格も根は自己主張の少ない謙虚さのような物も似ている。

一方ここコロンビアは、ラテン系な色が濃く、陽気さが伝わってくる。なんでもいっしょに楽しんじゃえ! のような気質。女性はみんなビヨンセのように見えてしまう。

ボリバドール広場

黄金博物館から10分ほどのところにボリバドール広場がある。
国会議事堂や、大聖堂に囲まれた広場でひろばに通じる道は人で溢れていた。

ボリバドール広場

次のお目当てはポテロ博物館。
ここも広場から歩いて10分もかからない場所にある。
途中喉も渇いたので、コーヒーブレイク。
チェーン店であるが、コーヒーアメリカーノLサイズとケーキで一服。コーヒー333円。

コロンビアでコロンビアコーヒー

ポテロ美術館


なんでもふくよかな形にして表現する芸術家。昨年2023年没。
なんとなくは知っていたが、詳細はよくわからないまま入館。ここは誰でも無料で入れる。
入り口を入ると、モネ、シャガール、ピカソ。まだまだただならぬ芸術家の作品が並ぶ。一点一点観ていたら時間が足らない。仕切りも何もないので、すぐ間近に筆使いも感じられる。
美術館のメンテナンスも綺麗に整えられ、無料で開放しているとはいえ、一見の価値がある。

中庭から見た美術館と遠くにこれから行くモンセラートの丘が見える


ポテロの作品

モンセラーテの丘

今日の最後の予定はモンセラーテの丘。美術館の中庭からも見えていた、ボゴタを高台から見下ろせる教会の建つ丘。ボゴタの標高は2,500メートル。そこから600メーとる高い丘に立つ教会。バルセロナ近郊のモンセラート山に因んでいるらしい。
実はバルセロナ近郊のモンセラートの丘には10年前くらいに訪れたことがあり、せっかくならボゴタもと思い向かった。
Uberで麓のケーブルカーの駅に行こうかと思ったが、運動不足でもあり、3キロくらい先でしかも坂道だらけですが、歩いて行こうと決めた。

Google mapを頼りに人気のない道を歩き続けた。坂道はきつい。
途中何回か尋ねて、ようやくロープウェイ駅が見えてきた。
時間は午後6時過ぎ。まだ日暮には時間がある。
チケットを往復買って(27,000COP=1,017円)登る。
丘の上からボゴタが一望できる。徐々に陽が沈む。日本では午前8時頃。コロンビアで大西洋に沈む太陽が、日本では太平洋から同じ太陽が登る。不思議な感覚に襲われた。

モンセラーテの丘からボゴタの街並み


ロープウェイを降りるのに、待ち時間は1時間。降りてUberでホテルへ。

煙の正体

入国直後山から見えてた煙は火事だった。
部屋でGoogleから、ボゴタ周辺ではエルニーニョ現象で、乾燥続きで、高温のため山火事が多発しており、外国に緊急要請をしているという。
街の一般市民は全く普通の生活を続けているが…。

明日も早い便で北半球に移動する。夏の南半球最後の日。



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