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377. 【LGBT法】ホモが堂々と肩で風を切って仕事をし、ノーマルな人間はホモに震えながら生きる社会はとてもマトモな世界じゃないよ

今回もSNS上から意見を拾ってきました。(注:「ホモ」という言葉は当事者を侮蔑する言葉なので職場などで使うとハラスメントに当たります。今回はそのまま載せてあります)

この方はLGBT法(理解増進法)が成立すると、そういう社会になるとお考えのようです。そしてそのような社会はマトモではないとおっしゃる。

逆に、この方のおっしゃる「マトモ」な社会(世界)は次のようなものなのでしょうか:

ノーマルが堂々と肩で風を切って仕事をし、
ホモはノーマルな人間に震えながら生きる社会

なぜゲイは「異性愛で性自認が生まれたときに与えられた性と変わらない人たち」に震えながら生きなければならないのでしょうか?

そもそもの話になりますが、性的マイノリティに対する理解増進法が成立すると、「ノーマル」な人たちはなぜ「震えながら生きる」ことになるのでしょう?

法律ができることによって、ゲイに限らず性的マイノリティの人たちが自分の性的指向や性自認を受け入れられるような社会になる。そしてそこで普通に働く。

それに一体何の問題があるのでしょう?

この方の意見は、もしかしたら「性的マイノリティは社会の表に出てくるな」「コソコソ生きていろ」という主張につながるものがあるのではないでしょうか。

もしそうだとすると、「表に出てくるな」というのは差別だと思います。

以前にも同様の記事を書きました:

歌手の美輪明宏さんが昔のことを振り返って次のようにおっしゃっています:

「でも、とにかく有名になって、“メケ・メケ、バカヤロー”って歌歌って、それで中性ファッションで、ゲイであること公言して」と「メケ・メケ」でのレコードデビュー後を振り返った美輪。当時について「ゲイだって言われて、散々糾弾されて首吊って死んだ人もいたし、それで亡くなった方の死に顔見た時に、こりゃ闘わなきゃいけないって思ったのね。何一つ物を盗んだわけでもない、殺したわけでもない。人が人を愛したことの何が悪いんだって。男が女を、女が女を、男が男を、年寄りが若者を、異国人同士が愛し合っても人間同士が愛し合うことに変わりはない。殺したわけでも、盗んだわけでもないのだからって。そういう歌も(和訳して)作りましたしね」と説明した。

スポニチ Sponichi Annex 美輪明宏 同性愛者であると公言、「石も投げつけられた」過去も強い信念 (2022.10.10)

三輪さんご自身も同性愛者であることをカミングアウトして石を投げられたこともあったと語っていらっしゃいます。

日本は昔から性的マイノリティに寛容だったとまことしやかに語られる時代ですが、昭和世代ならTVで保毛田保毛男というゲイキャラが「気持ち悪い」人物として登場していたことを覚えていらっしゃるのではないでしょうか。

表題の話に戻りましょう。

これまで「震えながら生きていた」のはゲイ(ばかりではなく性的マイノリティ全体)でした。

時代は少しずつ、そして着実に変わりつつあります。同性婚賛成がどの新聞の世論調査でも半数以上になる時代です。

もうこの方が考える「マトモ」な時代は終わりつつあるのではないでしょうか。


参考資料


画像:UnsplashKat Jが撮影した写真

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