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Vol.2_『ルールを守る』を考えてみた

今日は、ルールについて私が思っていることをお話ししたいと思います。

大抵の場合、組織の中で『ルールを守れ!』的な話をすると嫌な顔をされます。四角四面に物事を捉えて、合理的に考える事ができず、柔軟性を欠いているかのように思われ、煙たがられる…そんなところでしょうか?

私は6社で約30年間、人事・総務の仕事に携わる中で、ルールを作り、守らせるということをしてきました。多くの経験をし、皆が嫌がる事だという理解もし、ルールで縛られる窮屈さも理解し、もっと自由に動けたらいいのになぁ……と自分自身が感じることも多々ありました。

それでも、ルールの持つ意味や目的や効果のことをすっ飛ばしてでも、敢えて言いたいと思います。

ルールの中に ” 守らないといけないルール ” と ” 守らなくても良いルール ” などありません。ルールは守れ!笑笑

よろしくお付き合いください。

※貼り付けた写真はドライブに行った先々で写したものですが、特に意味はなく、本文とはなんの関係もありません。

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1.ルールは守る必要があるのか?

◆組織にルールが必要なのは何故か?
◆組織でルールを守る事が大切なのは何故か?

ここでは、モラル的なルールのことではなく、組織運営上必要(必要と思われる)ということで設定されたルールを想定しています。

ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長の横田氏はその著書『ビジネススキル・イノベーション』において、

ルールはマニュアルになり、マニュアルは社員の制御性を育てます。制御性が高い社員は、仕事の「量」を追求するときに能力を最大限に発揮してくれます。

しかし、市場がシュリンクして「量」より「質」が求められる時代においては、自発性の高い社員が多い会社ほど競争で優位に立てます。社員が自発性を発揮できる環境を整えていく必要があるでしょう。

余計な縛りを省いて、社員が自分の頭で考えて動く裁量を与えていく。それがこれから求められる組織のマネジメントなのです。

と述べておられます。(一部要約)

大抵の方はルールで縛られるのは嫌だし、上述のような考えに賛成だと思います。(私も賛成!)

たくさんルールを設定して、人の動きを徹底的に管理することが組織運営では重要である、という類の主張は聞いたことも見たこともありません。

では、今あるルールも守らなくていい ということかと言うと、そんな事はないはずで、ルールがある以上は守らなくてはいけないと思うんです。

「そんなの当たり前じゃん!」って思うかも知れませんが、意外とそうではないように思います。

ルールで縛るのはナンセンスだ!
=今あるルールも(不合理な場合は)守らなくていい

ちょっと乱暴な言い方ですが、どうもそんな風に考える事もあるようなのです。

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2.守らなくていいルールなんてあるのか?

" 守らなくていいルール?! " そんなのないよー!って言いたいし、そうだとは思っているのですが…

2020年大晦日に、WBO世界スーパー・フライ級王座の2度目の防衛を成功させた井岡一翔選手が巻き起こした”タトゥー論争”は記憶に新しいところです。

これは、「入れ墨している人はファンデーションかなんかでちゃんと隠して試合してね」というルールがあるんだけど、井岡選手は隠さなかった(ファンデーションが汗で流れたという話もありましたが...)ので問題になったというもの。私からすれば「当然だめじゃん!」と思いますが、ネットなんかで見ると賛否両論、喧々諤々!!

2021年2月の『文春オンライン』では、アンケート結果が発表されました。

Q. ボクシングの試合で選手はタトゥーを隠すべきか?

井岡タトゥー論争

ルール自体の賛否ではなく、今あるルールも守らなくて良いと考える人が相当割合いるんだということがわかり、意外と割れるんだなぁとびっくりしました。

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3.守れないなら変えましょう!

それでもやはり、今あるルールは守りましょう!と言いたいです。

なぜなら、守るべきルールなのかどうかには主観が入るので、あらゆるルールが意味のないものになるからです。

ルールがあるからいいでしょ?
ルールにないからいいでしょ?
ルールにあるけどいいでしょ?

ルール中心のようでいて、結局やりたいように出来てしまうからです。それでは組織は成り立たないのでは?

ならば、いくら不合理で非効率なルールでも守らなくてはいけないのか?という問いに対して、敢えてYES or NO で答えると、私は『YES』と答えます。

自分が知らない合理的理由があったり、自分は非効率でも他のどこかで効率が上がっていたりすることもあるし、ルールの意味や目的や効果を個人が全て把握するなんて無理だと思うので、結局『不合理で、非効率で』というのはどうしても主観になってしまうように思います。

ただし、そこで重要なのは、普段から『ルールを変更する(廃止する)』という事をきちんとしておくということだと思います。守れないルールはいつか筋が通らなくなるし、冒頭にご紹介した横田氏の言葉を借りると、そのルールが『自発性を損ねてしまう』可能性があると思います。

だから、『ルールを直しておかなくてはいけない』と考えてほしい。それが経営者の仕事だし、幹部の仕事だし、組織を率いる者が考えるべき方向だと思うのです。

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4.柔軟に考える…とは?

守れないルールをそのままにしておくと、その場しのぎというか、その場をうまくやり過ごす事や、うまくさばくことだけを考えてしまい、ルールを逆手に取ったり、都合よく解釈したり、目を瞑ったり…ということになってくるように思います。

うまくルールを利用しているようにも見えるので、一見柔軟に考えているかのように感じたりもしますが、もちろん錯覚です。騙されちゃいけません(笑)。

中にはルールを逸脱することを武勇伝のように語るリーダーや「出来るやつとはそういうもん」としたり顔で言ったりする人もいて、あたかもルールを守ることのほうがダサいと刷り込むような人さえいますが、

経営者や幹部社員はそうではいけないと思います。柔軟に考えるということを勘違いしてもらっては困ります。

経営者やリーダーの「ルールに関して柔軟に考える」というのは、

過去に定めたルールに固執する事なく、時代や組織にマッチした新しいルールに設定し直す

ということではないかと思います。

経営者はルールを適用する側の人間です。適用する側は、ルールを作って守らせて、皆が働きやすいようなルールに変えていかなくてはなりません。

もし、ルールを気ままに解釈したり軽んじたりするような経営者がいたら、『あなたはどっち側の人間なんですか?』と言ってやればいい。(言えたらどんなにスッキリするだろう...)

ルールを守る…守れないなら変える...

それは筋の通った経営をする第一歩だと思います。
肝に銘じたいと思います。

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5.もしかして...それが正常?

結論まで書いておいて気づいたことがあります。
それは、井岡選手のタトゥー問題で意見が割れたことについて『驚いた』と書きましたが、もしかすると、意見が割れる状態は『正常な状態』なのかも知れません。

「違う意見がきちんと存在する」

私のように「ルール守るべし」という人と、「時代遅れでしょ?」「意味ないよ」という人がいる...。こういう状態こそが、今あるルールの存在意義であり、またルール見直す機会を担保している状態なのかも知れません。

確かに、みんながみんな「そうだ!そうだ!ルールは守れ~!」みたいな状態は、想像すると少し気持ち悪い...

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6.まとめ

今回はなんだか愚痴のような記事になってしまいました...反省

少し考え方が固いですかね...?ん、古い?

個人商店という評価がある当社が、ここ最近「組織的に活動する」という転換を図っている中で、それでもなお、経営者・幹部が自由気ままにそれぞれがそれぞれの解釈で動いているのを目の当たりにして、ギリギリと歯ぎしりをして拳を握りしめながら書いた....そんなシーンを想像して読んでいただければ。笑

ご意見、ご指摘、アドバイスなどいただければありがたいです。

今回はここまで。

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