ほんのかすかにモヤッとしたお話です。

最初に言っておきますが、誰かをディスるような話ではありませんので。

自称「できないヤツ」が活躍の場へ

現在、活躍されているインフルエンサーの書籍や情報発信でよく聞くのが、「子供時代は勉強も運動もできない子だった」とか「会社員時代は失敗ばかりのポンコツ社員だった」というような過去の回顧の話です。

「そんな僕・私でも、自分が活躍できる場所を見つけて、現在はこうして活躍できている」

という話の流れから、

「仕事ができないサラリーマンだった自分でも、リスクを取って飛び出したらうまくいって今は幸せ。あなたにもできるよ」

というような、背中を押してくれるメッセージにつながります。

もちろん、中には子供の頃から神童と呼ばれており、難関の学校を出て、そのまま社会で活躍しているエリートの方も多くいるでしょう。

でも、上記のように「普通or劣っていたが、チャンスをつかんで成り上がった」というストーリーは王道なんですよね。
読者や視聴者は、「自分もできるかも」という気にさせてもらえます。
※現実は厳しいとしても。

たいていの場合は、そういったストーリーも含めて、自身のビジネスのため（有料会員を集めたり書籍を買ってもらう）ではあるのですが、実際に勇気をもらえることもあるし、自分の中の価値観が変わる、行動につながる、という意味でプラスになることもあります。

そのような発言に関して、悪印象は特に持っていません。
それに、そういう人たちの「成功」の定義は、「お金が稼げた」じゃなくて「毎日が楽しい」という価値観なのも共通していて、共感できます。

ただ、年収が数千万円あって、資産も数億、数十億あるような人が、さらに上と比較して「自分なんてまだまだザコですから」みたいな発言をしていると、思わずツッコみたくはなりますが・・。

謙遜や自虐には注意が必要

10年以上前の話ですが、学生時代の友人（マスコミ業界勤務、男性）と話していた時、体調を崩して配置換えになり、年収が激減したという話を、さも大惨事のように聞かされました。

でもね、そいつの年収は30代から1千万円は軽く越えていたので、3割4割減ったところで、一般のサラリーマンの平均よりはだいぶ高かったはず。
減少後の年収でも700万とか800万とかはあったんじゃないかな。

そこは友人なので、諭しました。
「おまえな、サラリーマンの平均年収は知ってるか？」
激減後でも、目の前の相手（私）よりもかなり高かったことに気付いて、さすがにバツが悪そうな顔をして黙りましたけどね。
（※ちなみに、その程度で関係が壊れたりはしません）

noteやブログの例で言うと、フォロワー数やビュー数の拡大を狙っていて、定期報告をしている人はいますよね。
「開始○ヶ月で○○を突破しました！」みたいな。
収益化している人も同じですね。○万円の収益を達成、とかね。

『報告・感謝・祝』で終わればいいのだけど、ごく稀に「自分なんてまだまだザコ」とか「すごい人たちに比べるとミジンコのようなもので」のような蛇足を書いている人を見かけたことがあります。
※noteでは、ほとんど見かけないですけど。

上には上がいるのは当たり前ですが、「下には下もいる」という視点を、つい忘れてしまうのでしょう。
「うれしいけど、自慢っぽくならないかな」という、気恥ずかしさや照れ隠しから、自分のことを卑下したり、つい自虐っぽい書き方をしてしまうのかもしれません。
ただ、そこまで達していない大多数の人から見れば、「自分はザコ以下か？」と、マウンティングのように感じてしまう可能性はあるので、注意が必要かと思います。

実は受け取り側の問題か

こういうのって、実は聞き手や読み手側の問題も結構大きいような気もします。
余裕がない時って、「そんなつもりじゃないのに」っていうことを、うがった解釈してしまうことがあるんじゃないかな。

自虐ネタや失敗話は、実はかなり難易度が高くて、高度なコミュニケーションなのではなかろうか、と気付きました。

「自分は○○（自虐）だから」のような話を相手に振る場合、「いやいや、そんなことないでしょう」と否定してもらうことを期待しているのが透けて見えたら、あまり印象はよくありません。
リアクションに困るな、ということもあります。

自虐や謙遜を、素直に受け取れる時と、あまり印象がよくない時があるのはどうしてだろう？という気付きがあったので、まとめてみようと思ったけど、あまりうまくまとめられませんでした。

【補足】
注意喚起とか苦言を呈す、という意図で書いたわけではありません。
自分が自虐ネタの受け手となった時に、モヤッとする場合とそうでない場合の違いをちょっと考察してみたまでです。
また、自分が書く場合に、受け取り手の視点に気をつけなければいけないな、と思ったのでここに記す。

さて、今日はメンタルクリニック受診の日。今から行ってきます。