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ネコ故に

今日も一日、寝て過ごす。

そんな私を人間たちは、微笑みながら覗いている。

私がもし人間なら、私になんて微笑みかけないだろうな。

一日中、餌をもらい、そして寝る。そんなぐーたらな私を。


「ネコでよかったな」

そう思う時がよくある。

ただ、人間になりたい時もあるんですよ。

私は人間としゃべれないし、同じものを食べることもできない。

そんな私はにゃーにゃー言って、自分の願いを訴える。


「言葉を話せたらな」

そう思う時も、よくある。

でもね、やっぱりネコでよかったなと思うんです。

鳴けば餌をくれるし、私から何も言わなくても寄ってきてくれる。遊んでもくれる。なでなでもしてくれる。

そんな私でも、できることはあるんですよ。

ボールを投げてくれれば、キーパーのように止められる。

イヤホンをぶら下げてくれたら、ボクサーのようなパンチを繰り出せる。

ご主人様が布団に入れば、一緒に寝て、暖めることもできる。

そんな私がいるだけで、ご主人様は笑顔になってくれる。

ならできる限り、側にいよう。

私はネコなのだから。


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