皆さんこんにちは。CACというVCにてスタートアップへの投資・支援を行っています、片岡です🧑‍💻

普段から仕事(半分趣味みたいなものですが)で国内外のC向けサービスやそれらの背景にあるトレンドや消費者心理を観察していることが多いのですが、実際にデジタルネイティブ世代である自分が特に気になったサービス・トレンド・ニュース等の情報を、ただインプットするだけでなく、しっかりと言語化していこうと思い立ちこのnoteを書いています。
こういった発信をすることで少しでも起業家等の方々の視野が広がったり、または国内エンタメシーンの活性化に繋がればとても嬉しいなと思っています。
最初は手探りで進めていきますので、皆さん是非コメント欄やTwitter等でご意見ご感想いただけると嬉しいです。
今回はここ数年急成長中の、「クリエイターエコノミー領域」に焦点を当てていければと思います！！

💰資金調達

🏢 企業名：Provenonce, Inc.
📱 サービス名：NFT Oasis
👨 創業者： Will O’Brien 
　　　　　  (Galaxy Digital社が12億$で買収したBitGo社の共同創業者)
🌎 本拠地：Los Angeles, CA, United States
💰 累計資金調達額：4.4億円 (Seed)

NFT Oasisは、一言で言ってしまえばVRを用いたアートギャラリーです。仮想現実世界でクリエイター(現在は芸術家や音楽家)が自らの作品を展示をしたりイベントを開催し、NFTを利用した仕組みによって作品を売買することも可能なクリエイターエコノミープラットフォームになっています。HPに仮想環境の紹介動画がありますが、壮麗でユートピア的な世界観が広がり、個人的にかなり好みな雰囲気でした...！映画のオブリビオンにちょっと似てる気がします🤔
その中で世界中のアーティストの作品に触れたり、ディスカッションしたり、イベントに参加したりと既にある程度自由度が高いサービスにもなっているようでした。現時点で4月から200人以上のアーティストやミュージシャンがこの世界で作品を紹介しているとのことです。

O'Brien氏は次のように述べています。"私たちには、分散化された、豊富なクリエイター経済を立ち上げるという、非常に大きなビジョンがあります。NFTは楔であり、VRは舞台であり、ブロックチェーンはこれを現実のものとするためのインフラです。" 
a16z等の最近の投資を見ていても思いますが、クリエイターエコノミーには頻繁にNFT、ブロックチェーンというキーワードが出てきてますね。Provenonce社は将来的には「Snow Crash」や「Ready Player One」のように、メタバース化を構想しているとのことで個人的に引き続き注目していきたいと思います👀

🏢 企業名：Popshop Technologies Inc.
📱 サービス名：Popshop Live
👨 創業者： Danielle Li
🌎 本拠地：CA, United States
💰 累計資金調達額：24.5億円 (Series A)

こちらはライブECプラットフォームです。ジャンルとしては、おもちゃ、ファッション小物、コミック本、ビンテージ品などがあり、ファンと双方向的に会話しながら商品を売買するといったエンタメ性が魅力の一つです。支払いや配送の詳細等も一元管理することができます🛒
Benchmarkがリードした今回のシリーズAラウンドでは約20億円を調達していますが、個人投資家陣もJim Lanzone,Kevin Mayer,Michael Ovitz,Kendall Jenner氏等々、豪華な顔ぶれです。
サービスのイメージは以下の動画を見ていただければ雰囲気伝わるんじゃないかと思います。動画である点、インタラクティブである点など踏まえるとより商品の詳細や魅力が伝わりやすい気がします(その分誤魔化しもきかないのかもしれないですが)🤔
中国で先行していたライブEC領域ですが、LIVE×コマースの組み合わせでいえば、元々日米にもジャパネットやQVCという形態があり人気を博していたわけで、何かタイミングさえあれ中国以外の地域でも今後受け入れられていきそうだなと感じています。Popshopはパンデミックにより需要が伸びたとのことですが、今後ライブEC市場が更に拡大するためには、商品の宣伝をしても嫌味にならない動画の使い方が巧いインフルエンサーが増えていく必要があるかなと(令和の高田社長のような)。また、TikTokの中国本家版であるDouyinでは既にLIVEコマース機能が搭載されていますが、これがグローバル版にも実装されれば大きな起爆剤になりそうな予感。。💣

🧐 HOT TOPICS

今月もSenser Towerのアプリダウンロードランキングが発表されました🌏
相変わらずTikTokが全体、App Store、Google Playの三冠を達成しています(何ヶ月連続なんだろう...笑)。6月は6,500万を超えるダウンロード数だったとのことです。
順位後半にCapCutという動画編集アプリがランクインしていますが、これもTiktokの運営母体であるBytedance社のアプリになります。Bytedance強いですね。
(改めて見てみるとFacebook勢の強さも目立つ)

自分にとってもTikTokは大好きなプロダクトなんですが、ちょうど今週TikTok関連で以下のような気になるニュースが出ていたので、こちらに関して個人的な感想、今後の予想をご紹介していければと思います🧑‍💻

昨年末から一部ユーザーを対象に試験的に運用されていた、最長3分の動画(これまでは15秒~1分)を投稿できる新機能について、今後正式に導入することを決定したとのこと。
最近はひと昔前のようなダンス系やリップシンク系以外でも様々なジャンルでのクリエイターが誕生している中で、クリエイターコミュニティから動画時間の選択肢の幅を持ちたいという強い要望が以前から寄せられていたと紹介されています。
少し前からちらほら海外のクリエイターさんの動画で長めのやつが出てるな〜とは思ってましたが、個人的には以下3点の理由から意外とすぐには普及しないんじゃないかと思っています(あくまで私見なので是非色々なご意見いただきたいです！)。

①動画の再生速度を変えられない
②動画のシークバーを自由に動かせない？
③ユーザー(視聴側とクリエイター側双方)が慣れるまで時間がかかりそう

Youtube等では倍速再生が可能ですが、これまでTiktok上で流れてきた長めの動画は速度を変更できなかったような気がします。元々は15秒から始まったTikTokですが、最近は1分の動画でも長いなと感じるようになってしまっています(個人的に1分の動画で最後まで視聴完了するのは全体の10回に1回もないかも。。)。次から次にスワイプして行って様々なコンテンツに触れられるのがTikTokの魅力の一つだと思うので、これまでの最大3倍(3分尺)の長さが超短尺動画に慣れたユーザーにどこまで刺さるかという部分は注視していきたいです。

一方で、ファンを増やしやすくなるという意味では、クリエイター側にはメリットも多いんじゃないかと考えています。
上述したように、間髪入れずに自分の興味があるコンテンツをテンポよく享受し続けることができるのがTikTokの最大の強みの一つです。しかし、クリエイターからしてみると、あまりにもコンテンツ量が多すぎて、継続的にかなりのインパクトを残し続けないと当然のように埋もれるし、一見バズっていても想像以上にファンがついていない(=バズがマネタイズに繋がらない)という傾向が見られます。
動画時間が長尺化することによって、これまでより長い時間視聴者を魅きつけ、より多くの情報を与えることができるようになります。つまり、TikTok上のみでファンを増やす事がしやすくなるのではないかと考えています。
これまでファンを作っていくには、インスタなど別サービスに上手く流してそこで短尺動画では分からない人となりなどを知ってもらい、より影響力を強めていくという手法を取るインフルエンサーが多かったですが、今後TikTok内で実装されていくであろう投げ銭や広告収入等のマネタイズ機能と合わせてTikTok経済圏のようなものが形作られていくのを推進する施策の一つになり得るのではないかと妄想しています🤔

🏄‍♂️ Trends

ここでは最近バズってる人、サービス、商品、Meme、SNSアカウント等々を紹介していこうと思います🙋‍♂️
早速ですが皆さん、今若者の間でリカちゃん人形が熱いってご存知でしたか？
実は最近このリカちゃん人形を使ったSNSアカウントがバズり散らかしていて、ここ数週間でフォロワーが数十万人単位で爆増しているんです。

7月のYoutube登録者増加数も現在トップです。インスタでは50万人を超えるフォロワーを獲得しています。
自分はリカちゃん人形で遊んだことは殆どないんですが(世代が違う...?)、何となく華やかできらきらしたイメージがあります。皆さんもどちらかといえばそういったイメージを持ってる人が多いんじゃないかと思いますが、このアカウントのリカちゃんは基本的に消耗していて、若干陰鬱なオーラを纏っています。
(例えば下の画像は給料日前にカップラーメンを啜るリカちゃんです。)

何とも言えない哀愁が漂っていて、元のイメージとのギャップを感じます。
「取り上げるシチュエーションは、ほぼ私自身の日常の切り抜きです」と、このアカウントを運用している20代の女性会社員はインタビューで語っています。
写真や動画のクオリティの高さはもちろん、普段きらきらなリカちゃんに、飾らない現代の若者のリアルな生活感をトレースしたことで醸し出される何ともいえないギャップと哀愁がクセになりますね。
以前自分が書いたnoteでも出てきますが、バズの一つの型として「リアルさと共感」というのはやはりキーワードになってくるなと🔑
作者の女性は今後について以下のように語っています。

「リカちゃんは、私と一緒に年齢を重ねています。その時々の出来事、思っていること、流行っていることを映し出していければ。『人間と同じく、リカちゃんにも色んな生き方があるのかもね』くらいに思って頂きたいです」「この取り組みは、私自身をリカちゃんに重ね『リカちゃんが可愛いってことは、同じ境遇にある私も可愛いってことだ』と、自分を愛（め）でるためのものです。コンテンツを見て下さる方にも、そうして頂けたらうれしいですね」

リアルなリカちゃんの生き様、しかと刮目すべし。

🗞 その他のクリエイターエコノミー界隈ニュース

TikTok、候補者と求人情報を動画を介して結びつける人材採用新機能「TikTok Resumes」を提供開始
・Tiktokが遂に人材領域にも進出するようです。Target、Shopify、Nascar、Abercrombieなど30社以上の企業が参加しており、ユーザーは動画を履歴書として使用し求人に応募することができるとのこと。
以前から自分のアカウントを履歴書のような使い方をするユーザーはちらほら存在していたので、職種によっては動画で人柄やスキルが分かるという点でユーザーメリットがあるのかもしれません。今後注目必須です。

インスタグラムはもはや写真共有アプリではなく、動画を中心としたプラットフォームになる。インスタグラムのトップ、Adam Mosseri氏によると今後の注力分野として、
①クリエイター(収益化)
②動画
③ショッピング
④メッセージ
が挙げられると動画内で説明しています。
特に動画分野に関して深ぼっていて、TikTokやYouTubeを名指ししながら今後様々なアップデートがあると紹介しています。

これはクリエイターエコノミー文脈はC向けサービス全体にとっても大きな事象ですよね。。続報が入り次第また語りたいと思います。

その他気になったニュース👇

インスタグラム の最新「Eコマース機能」に期待が高まる：ビューティブランドによる活用法

Instagramがクリエイターがファンにだけコンテンツを独占公開できる機能「Exclusive Stories」を開発中

Instagramに地図検索機能が正式導入。店舗ビジネスではUGC創出が要

Facebookのビジネスアドチーフがプラットフォームの今後の重点分野の概要を説明

YouTube Rolls Out Personalized Video Recommendation Feed ‘New To You’

10周年を迎えたライヴ配信大手「Twitch」から、クリエイターエコノミーの現在が見えてくる

How Crumbl Cookies took over TikTok

Pinterest Is the First Social Platform to Ban All Weight-Loss Ads

📣お知らせ

直近の調達・上場・M&Aしたスタートアップの中で個人的に気になった企業100社をリストアップしたデータベースを作成しました！
個人的な趣向でC向け(特にエンタメ、ゲーム、Fintech、EC )企業が多めです！
もしご興味ある方がいましたら下記のツイートをRT・いいねしていただければDMで共有いたします🤝

🧑‍💻片岡の編集後記

はい、何とか初回の編集を終えることができました。
週明け月曜に出すぞ〜と何日も前から意気込みながらも書き終えたのは日曜深夜です。来週はもう少し余裕を持ちたいですね(初めての免許更新に想像以上に時間がかかってスケジュール狂いました)。

今ちょうどVirgin Galactic社の宇宙ロケット打ち上げのLive配信を見ながらこの文章を書いています。創設者のブランソン氏を乗せた有人飛行ということでかなり手に汗握ります。自分が生きてる間に惑星間航行の免許(パスポートかも？)も車の免許くらい身近な存在になっていればなと心から思っています。宇宙に憧れすぎて寧ろそこを自分自身で推進させるまであります。

このWeeklyのサブタイトルも宇宙関連で考えた部分があります。もしこれなんじゃないかな〜と思ったらお気軽にメッセいただきたいです。(是非ランチでも行って語らいましょう🚀)
ちなみに、「黎明」というタイトルですが、これは元々自分が少し前の学生時代に取り組んでいた若者向けのスタートアップコミュニティの名前を引き継いでいます。「夜明け」「新しい事柄が始まろうとすること。また、その時。」という意味がある言葉ですが、この連載を読んでくださった方々にとって、何かのきっかけとなるような情報や意見の発信をしていければと思い名付けました。
冒頭にもお伝えしましたが、半分アウトプットの練習のために始めた部分もありますが、皆さんの反応次第では方向性の微調整も積極的にやっていこうと思ってます！是非ご意見・ご感想等あればこちらもコメント欄やTwitter等でご共有ください。

ではまた次の黎明でお会いしましょう！！👋