見出し画像

【カナダ】ネットで拾ったニュースの屑籠 No. 5

■オンライン講義でとても好きだった教授は実は。。。。

最初、私はこのニュースはいつもの通り、「ニュースの屑籠」に入れてほかのいくつかのニュースがたまったら全部一緒にアップしようと思っていました。でも、あまりにも現在の567禍時代を象徴するような話題だと思い、今回はこれ1本で行こうと思います。

モントリオールにある英語系のコンコーディア大学の学生、アロン・アンスイニさんはオンラインで「カナディアン・アート・ヒストリー」という科目を勉強していました。アロンさんはこの科目を教えているフランソワ・マルク・ガニオンという教授が好きになりました。

この教授は実はカナダ美術史に関しては有名な人物であるだけでなく、雪や馬の絵などを情熱を込めて解説し、普段なら誰でも見過ごしてしまうような些細なことにも聞く者の興味を呼び起こさずにはおかない語り口で、アロンさんは彼の講義に魅了されていたのです。

ある日、どうしてもアロンさんはこのガ二オン教授に質問してみたいという気持ちに駆られ、教授のコンタクト・インフォを検索して愕然となったのです。

ガニオン教授のEメールアドレスをサーチしていたアロンさんの目に飛び込んだのは、教授の死亡通知でした。教授は2019年にすでに死去していたのです。

すでにそれなりの高齢の教授だとはわかっていましたが、いつもオンラインで顔と顔を合わせ、興味深いカナダ美術史の講義に聞き入っていた相手がすでに故人だったとは、アロンさんは夢想だにしていなかったのです。

「私が受けていたガニオン教授の講義は素晴らしいものでした。でも、大学側は担当教授が現役か故人なのかぐらいは学生に知らせるべきではないのでしょうか。亡くなっている教授には質問のしようもないのですから。。。」とアロンさん。

報道によると、コンコーディア大学と教授会の間には事前に録画された講義の著作権は教授側に、使用権は大学側にそれぞれ10年間にわたって適用されるという取り決めがかわされているそうですが、詳しいことはわかりません。大学側は「今後は教授陣の略歴紹介のページなどで生没年などを明確にしていきたい」と述べているそうです。

★     ★    ★

私はこういうことに関して専門的知識を持っているわけではありませんが、この話を聞いていろいろ考えたのです。

どんなに人を感動させるような、奮い立たせるような名講義でも生で、ライブで聞くのと録画されたものをモニターで見聞きするのとでは違いが生じるのではないか。

最初からもう亡くなっている教授だと分かっていたら、その教授のオンライン講義を受ける気になるだろうか。アロンさんがガニオン教授の講義に惚れ込んだのは、講義が始まってしばらくたってからだった。

ずっと昔に感動して泣いた映画は、今、見ても泣いてしまうのはなぜだろうか。


好き勝手にやっていますので、金銭的、経済的サポートは辞退させていただきます。ただ、スキ、コメントは大歓迎させていただきますので、よろしかったらお願いいたします。望外の喜びです!