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子供の頃からの“醜い歯”にあっさりお別れした朝

今朝、歯医者に行きました。本来は3週間ほど前に抜歯した下の前歯の周辺の歯肉が回復しているので、下の入れ歯の追加分の型を取るという作業を歯科医がやるはずだったのです。ところが、歯肉の回復具合をチェックしていた先生が、「抜いた歯の前にある歯が虫歯にやられている。本格的に治療するといろいろなプロセスを踏まなければいけないし、相当お金がかかる。この際、いちばん費用がかからない手っ取り早い方法でやりましょう」と言いました。


いちばん費用がかからず手っ取り早いのは、問題の歯を抜いてしまうというやり方です。そうだったらなぜ前回、抜歯の時、2本いっぺんにやってしまわなかったのかと一瞬、思いましたが、かなり高齢の先生が2本抜歯はちょっと重労働かも知れないし、歯を抜かれるときの何とも言えない緊張感を2回も耐えなければならない自分もしんどいだろうと、思い直したのです。


抜歯に限らず歯科の治療で局所麻酔の注射を打つ前に、綿棒のようなものの先端にゼリー状の麻酔薬(と思っています)をつけて、注射の痛みや歯を削ったりするときの痛み、苦痛を和らげてくれますが、あれは本当に助かりますね。私の子供のころはあのゼリー状の麻酔薬みたいなものは存在していなくて、あれなしで局所麻酔の注射をやっていたと思います。あれは大変な痛みと苦痛だった記憶があります。


ところで、今朝抜かれた下の前歯は、いつのころから生え始めたのか記憶がないのですが、たぶん子供のころからのオリジナルのものだったと思います。1本だけ歯肉の少し下の部分から曲がって突出していたのです。もともと歯並びが悪かった私ですが、上下ともにオリジナルの歯は少なくなってしまい、下は入れ歯を使っています。しかし、入れ歯をかぶせても、その“醜い”突出歯は、口を開けると見えてしまうのです。それで長い間の習慣で、私は人と近距離で話をする時とか、誰かに写真を撮ってもらう時など、自然に下の歯が見えないように笑ったりしていたのです。あるいはよく多くの女性がするように手で口元を覆ったりもしました。


今朝の抜歯の後、血止めのガーゼを詰め込んで帰宅しました。洗面所でガーゼ交換をしましたが、口を水でゆすいだ後、鏡の中で2本の前歯がすっぽり抜けた後の黒っぽい穴をしみじみ眺めました。あの”醜い“突出歯”も影も形もありません。これで下の入れ歯が出来上がったら、私はもう口を半開きの笑みを浮かべる必要はなくなるのです。こんな簡単なことならなぜもっと早く抜いてしまわなかったのかとちょっぴり後悔しました。

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