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【カナダ】ネットで拾ったニュースの“屑籠” その2

決してメインのニュースにはならないけれど、なんか人間くさい、ホッコリっていうんですか、心惹かれる話、面白い話題ってカナダにもあるんです。そんなトピックを折に触れて紹介していくコーナーです。

■【40人でアイスホッケープレーしてパンデミック条例違反】
カナダもCovid-19 パンデミックの最中、各州、都市などの違いによって程度の差はありますが、ロックダウンなどの厳しい防疫体制が敷かれています。アルバータ州カルガリー市も市民らの行動を束縛せざるを得ない市条例などでパンデミックと闘っています。そんな中、40人ぐらいのアイスホッケー・プレーヤーが屋外リンクでプレーしているとの知らせがカルガリー市警察に入ってきました。

40人もの男たちが屋外リンクでアイスホッケーをプレーしていたら(報道によるとかなりレベルの高いプレーヤーたちのようですが)、“濃厚接触”の可能性も十分生じると思われます。警察では明らかに市条例に違反する行為が行われていると判断し、プレーしていた連中に解散するように命じました。警官たちが屋外リンクにやってきてプレーヤーたちと対峙したわけですが、たぶん、大方のプレーヤーたちは警官の説得に応じて渋々ながらリンクから上がって帰り支度を始めたのだろうと思います。

しかし、どうしても警官の説明に納得できない者、「アウトドアでホッケーをやるのがなぜ悪いんだ」とたてつく人間がいて、警官たちに抵抗したわけです。このやり取りをビデオ撮りしていた人がいて、SNSに投稿したのです。二人の婦人警官がオーシャン・ウイースブラットさん(21歳)というプレーヤーが説得に応じず、条例違反チケットの受け渡しを拒否したなどの理由で彼の身柄を拘束しようとしたのです。

私もこのビデオを見ましたが、屋外リンクの端で若いフル武装の二人の婦人警官がまだホッケーシューズを履いているオーシャンさんを取り押さえて後ろ手錠をかけようともみあうのです。オーシャンさんは「氷上の格闘技」といわれるくらい激しいアイスホッケーのセミプロ級のレベルの選手で、二人の婦人警官が彼をリンク上に倒そうとしても全然ビクともしません。警官が膝蹴りを浴びせたり、首を抱えて倒そうとしてもすっくと立っています。ついに警官の一人がテーザーガンを腰から抜いて(私は一瞬、拳銃を抜いたのかと愕然となりましたが)、「命令に従わなければこれを使わざるを得なくなる」とでも言ったのでしょう。このためオーシャンさんはアイスリンクの上に腹ばいにされて後ろ手錠をかけられ、ポリスカーの後部座席に押し込められ、警察に連行されたというわけです。

パンデミックで不自由な生活を強いられる中、アイスホッケーでモヤモヤを発散させたい気持ちはよくわかりますが、後ろ手錠をかけられ警察に連行されるところまで抵抗する必要はないと思いますが。それにしてもカナダの婦人警官ってあんなにアグレッシブに容疑者などに立ち向かうのかと驚きました。日本の婦人警官はあんな荒っぽいことできるんでしょうかね。というか許されるんでしょうかね。

■【猫の排泄物入りの砂で盗人に復讐】
オンタリオ州ハミルトン市に住む住人(女性)、ローリー・プリングルさんは、ここ数年、自宅玄関前に配達されてきた小荷物などが何度も何者かに盗まれてきたことに立腹し、自分の手で盗人に”復讐“してやろうと考えました。彼女が住んでいるのはハミルトン市のダウンタウンの一角で、その付近では彼女の家だけではなくあちこちの家で同様の被害に遭っていて問題になっていました。

ローリーさんの復讐とは、アマ〇ンから送られてきた小ぶりの空き箱の中に飼い猫の排泄物が入っている砂の塊を入れて元通りテープで封をして玄関前にその箱を置いておくのです。いかにもアマ〇ンから注文の品が届いたように見せかけて。。。玄関に設置された防犯カメラの画像を見ると、案の定、40分もしないうちに一人の男が玄関前に来てその小荷物を拾い上げ上着の中に隠して去って行きました。

ローリーさんは、「あの箱を持って行った男が箱を開けて中身を見た瞬間の画像を見られないのが残念」と言っているそうですが、彼女はこの件を警察に届ける代わりに、自宅防犯カメラの画像をSNSに公開したそうです。彼女の投稿を見た多くの人たちから「よくやった」などの称賛の言葉をもらったそうです。「きっと私と同じ被害に遭っている人たちがたくさんいて、私のしたことに共感してくれたのでしょう」とローリーさんは言っています。

しかし、ローリーさんは「猫の排泄物の入った砂の塊」をつかまされた男の“復讐”ということには全然、考えが及んでいないようですが、大丈夫なんでしょうかね。怒り狂った男が馬糞か何かを玄関前に積み上げるなんてことがまったくないとは言えませんよね。

■【盗まれた1757年イタリア製のバイオリン】
大学生でミュージシャンの男性、ロイス・リッチさんが、12月17日、自分の宝物のような263年前に作られたイタリア製のバイオリン「Lorenzo-Carcassi 1757 Concert」が入った赤いケースをトロント市内の地下鉄(TTC)の座席に置き忘れたことを知って青くなりました。

警察に届けると、TTC路線網の防犯カメラの画像を調べた結果、当日、ダファリン駅のエスカレーターで赤いバイオリンケースを小脇に抱えた50歳前後の男が写っており、この男がロイスさんのバイオリンを盗んだ容疑者とみて警察は捜査を始めました。

ロイスさんによると、盗まれたバイオリンは数万ドルの値打ちのあるもので、「ぼくにとって家賃を払ったり、食料品を買いそろえたり、時には家族のサポートをしたりするためのなくてはならない必需品なんです。そんな大切なものをどうしてTTCの座席に置き忘れ、誰かに盗まれるというようなことになったのかどうもはっきり思い出せないんです」とすっかり落ち込んでしまったようです。

警察が容疑者を追及している間、12月22日になって、イスリントン駅にいたタクシー運転手から警察に電話が入りました。運転手は「50歳ぐらいの男が赤いケースに入ったバイオリンを数百ドルで買わないかと言ってきた」と報告したのです。

ニュースではここらへんのいきさつが詳しく報道されていないのですが、結果的にタクシー運転手がバイオリンを男から受け取り、警官が現場に駆け付けるまで運転手がバイオリンを所持していました。警官が到着したときには50歳ぐらいの容疑者はそこにおらず、いまだに身柄は拘束されていません。

今はバンクーバーに行っているロイスさんに、バイオリンを取り返したというニュースが警察から伝えられると、彼は「これこそ私にとって最良のクリスマス・プレゼントです」と歓喜の声を上げたそうです。


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