「副業禁止」を禁止しよう

サイボウズでは副業を認めている。サイボウズの社名を出さない副業であれば、上司の承認どころか報告する義務もない。よって、サイボウズのメンバーが今どれくらい副業をしているか私は知らない。サイボウズでの仕事が「主業」でなくてもよいので、社内では「副業」ではなく「複業」と呼んでいる。

しかし、今の日本では副業が自由にできる企業は少ないだろう。こちらの記事によると、副業を認めている企業はたったの3.8%。承認制にしている企業でも、実態としてほとんど使われていないのではないか。副業は個人の自立を促し、人材不足解消やベテランの再活躍につながる。ベンチャー支援やイノベーション創造にも貢献する。これからの時代では当たり前になると感じている。

先日、厚労省のプロジェクト「働き方の未来2035」で「企業の副業禁止規定を禁止しよう」と話したら、同じ日に未踏会議で夏野剛さんが同じことを話しておられた。ついに副業の時代がきたと感じた。

今後、副業制度を検討する人のために、今、私が感じている副業のメリットをまとめておきたい。

人材不足解消

人材不足が深刻になる中、フルタイムでなくても手伝って欲しい仕事は山ほどある。一人が複数の会社で働ければ、相当の人材不足問題を埋められるだろう。

給与の増加

副業によって複数の収益源を得ることは、個人の給与総額を底上げするだけでなく、片方の勤め先が業績悪化するなどのリスクをヘッジでき、収入の安定化につながる。

生産性向上

普通の人間が同じことに集中できるのは1日に数時間だろう。同じ会社で同じ仕事を長時間続けてもらうのは効率が悪い。飽きないように複数の仕事を掛け持ちするのは生産性向上の観点からもポジティブだ。

マネジメント力の向上

これからの時代は、育児・介護者や高齢者など、フルタイムで働けない人たちを束ねていくマネジメント力が求められる。副業をする自分の部下と向き合うことは、新時代のマネージャーにとってトレーニングになるだろう。

ベンチャー支援

日本の人材流動性は低いので、ベンチャー企業を立ち上げにくい。多くのベンチャー企業は優秀な人材を求めているが、フルタイム分の給料は払えない。大企業にいる頭のいい人たちが、ベンチャー企業で副業できれば、日本のベンチャー企業は大いに力づけられるだろう。

ベテランの再活躍

メジャーリーグの一軍で活躍できなくなったからといって引退する必要はない。日本のプロ野球に戻って新たな活躍を見せる選手は多い。副業は最前線で活躍してきたベテランが、新しい活躍場所を見つけ出す助けになる。それは、ベテランが今の会社にしがみつく理由をなくすことでもある。

イノベーションの創造

イノベーションは新結合から創造される。異分野の知識が新しく結合されたときに、差別化されたユニークな製品やサービスが生まれる。副業はメンバーが自社では得られない異分野の知識を獲得することを促進し、イノベーション創造につながるだろう。

個人の自立を促進

「明日から副業してください」と言われたら、戸惑う人も多いだろう。自分は誰のためにどんな価値を提供できるのか、リアルに市場と向き合うことになる。長年勤めてきた大企業をリストラされてからでは遅い。副業は個人のサバイバル力を高めるとともに、人とは違う自分自身の人生を考えるきっかけになるだろう。


もちろん、副業のデメリットとして情報漏えいリスクや人材流出リスクなど、挙げればいろいろある。これらの問題は、マネジメント力や魅力がない企業で発生する。彼らは副業を認めがたく、抵抗することが予想される。こういう足を引っ張る会社は淘汰してよいと思う。

私たちが自分らしく働き、経済的にも精神的にも自立した未来を勝ち取るために、副業禁止を禁止しよう!

余談だが、マイナンバー制度によって副業していることが会社がばれやすくなるため、繁華街で副業したいOLを採用しづらくなるという話を聞いた。私たちの生活は、既に副業のおかげで成り立っているようです。

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コメント4件

初めまして。コメントから失礼致します。副業禁止の禁止について大賛成です。しかし、副業をOKにしてしまうことにより、仕事量を現状維持のまま給料を意図的に下げる経営者が出てきても不思議でないと感じます。そのため、収入の安定化どころか、複数の収入源がないと生活出来ない。そして、片方の勤め先が業績悪化すると生活苦になってしまいかねない事態が発生するかもしれません。したがって、給料を下げる代わりに労働時間を短縮する等の選択肢を与えないとワーキングプアの連鎖が続く危険性も孕んでいると思います。
副業禁止の禁止、大歓迎です!社労士としてお客様へ提案中です(^O^)
賛同します。御社の取り組みから是非学ばせてください。
「副業禁止」の禁止、大賛成です!
それにしても副業を認めている企業が3.8%とは……。僕は、副業したくてもやり方が分からないという人のお手伝いをしたいと考えています。
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