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Ultima Online 回顧録その7

前回(回顧録その6)は、オンラインゲームのありがちな闇について、自分(※当事者ではないが)がUOで体験したものを一つ紹介した。
UOの思い出とはいえ、ゲームの中身からはかけ離れてしまってはいたので、今回は、UOでのギルド活動を振り返り、紹介していこうと思う。

UOでのギルドの役割
回顧録その5でも紹介したが、ギルドとは、「プレイヤー同士が、同じ目的のために協力するための共同体」である。
UOでは、様々なスキルセットと、各自の自由なプレイスタイルの組み合わせで、UO世界の中での分身のロール(役割)を作ることができる。

そのため、ギルドも様々で、

・メンバーで協力してモンスター狩りを行い、報酬を効率的に得るためのギルド
・ギルドの元々の意味合いに近い「商工業者の同業者組合」としての商業ギルド
・合法的な対人戦の実施やメンバー同士で腕を磨くためのギルド
・集団で悪事(プレイヤーギルド、PKやゲーム内犯罪的行為)を行うためのギルド
・悪事を行うプレイヤー(※特にプレイヤーキラー、PK)を狩る(プレイヤーキラーキラー、PKK)活動を行うギルド

と、挙げていけばキリがないほどの種類があった。

自分が作ったギルドの路線
オーソドックスな、「メンバーで協力してモンスター狩りを行い、報酬を効率的に得るためのギルド」から、「効率的に~」を排除し、「メンバーでUO生活をエンジョイするためのギルド」という方針のもとで、メンバーを募っていた。
いや、普通なんだけど、自分も開始間もないし、ベテランでもなかったからね。

ギルドハウス
これは回顧録その3で書いた通り、知り合いの家を借りていた。
人の家なので勝手にいじれないのがネックだけど、ギルド石と共有箱1個を使っての物品受け渡しがメイン程度でも、小規模だったしなんとかなった。

ギルド活動
以前、回顧録その4で紹介した、SHAMEダンジョンを筆頭に、ダンジョンや狩りの名所と呼ばれるところを、メンバーで下の難易度から順番に進めるギルド内ツアーを、週に1回ずつぐらいおこなっていた。
それ以外は、ふらっとログイン時間が合ったメンバーと軽く雑談したり、狩りしたりと。

時々、事件(UO回顧録その5)もあったが、メンバー内でのトラブルもなく、定期的にメンバーが増えていき、10人ぐらいの規模で楽しくUO生活withギルドを満喫していた。

ギルド存続の危機
重大イベントは突然始まる。
ある日、ギルドハウスとして家にギルド石を置いてくれていた家主が一言。

「次の日曜には家を処分するので、申し訳ないがギルド石をどかしてもらう」

なんとw
これだから借家は・・・!とは嘆いていられない。
ギルドの危機である。
急いで移動先を・・・となるのだが、そんなツテはないし、家も当時土地がなく、建てるのは不可能であったため、高額な料金を支払って買うか、どこかの家が腐って消えるのを狙うか、といったところか。

第二のギルドハウス入手へ
高額を出して小さい家でも買えればいいが、そんな金はない。
そのため、メンバーを動員して、「腐りそうな家」を探すことにした。
当然、トランメルにはないため、フェルッカで探す。

家の腐る条件は・・・

・所有者のアカウントが停止した家
・新たに家を手に入れた時に以前から持っていた家
・複数の家を所有していたアカウントで、プライマリー設定した家以外の家

上記を満たして、規定日数たつと家が腐る(消える)のである。
さっそく、ギルドメンバー総出で腐りそうな家を探すことにした。

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そして見つけたのはここ。
トリンシック北東の沼地に、腐る寸前のSSH(石造りの小さな塔)があった。

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素晴らしい。

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沼地で、敵がわんさか(特にワニ系)が沸く地域なので、うっかり死なないようにしないといけないが、家のサイズは申し分なかった。
推定腐り時刻は・・・明け方の4時w
まあ、翌日は昼から大学だし、がんばるか・・・ってことで、ギルドマスターの自分ともう一人のメンバー(※自分以外はいける人が交代しながら)の見張りをすることに。

腐り落ちた家
腐り落ちる家を探してるのは、自分たちだけではない。
もはや、新規に建築する地域なんて残されてない人気っぷりであったため、競争相手すでに目をつけているかもしれない。
そしてここはフェルッカであり、腐った瞬間に争いが起きるかもしれない。

そのため、何人が目をつけているかを確認する必要もあって、ハイドスキル(隠れるスキル)を使って、画面ギリギリあたりで見張ることにしていた。

あと少しで4時になる、そろそろ腐るか・・・そして人は来ない。

と思った矢先に、ゲートが空き、2名程がやってきた。
青ネームと赤ネーム(PK)の2人組だった。

赤ネーム「ここですよ、ここ。」
青ネーム「おー、そろそろ腐るね^^」

そんな会話が見えた。
これはマズイ。
よし、腐った瞬間、殺害を決意。

そして腐った。家は消えたのである。

よし!決意し、チラっと競争相手を見た。
「・・!!」
 ・・・チガウ・・・今までのプレイヤーとはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを駆け巡った・・。「・・(ブッコロス・・!!・・これって運命・・?)」
相手のプレイヤーは腐ってもPKだった。新たに開いたゲートから数人の赤ネームが現れて逆に襲われた。「キャーやめて!」逃走をきめた。
「ガッシ!ボカッ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)

※スイーツ(笑)とは

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自分および見張りのもう1名は、幽霊のまま、腐って消えた家の跡地にPKギルドの拠点が1つ、新たに建築されるのを放心しながら見ていたのであった。

ギルド石の行方
腐る家狙いは失敗に終わった。

そして、結論から言うと、翌日、一人のギルドメンバーが古参プレイヤーで家を持っており、「しゃあないし置いてもいいですよ」と申し出てくれて、なんとかギルドのピンチは免れたのであった。
いや、マジでPK達強すぎた。我々も弱すぎたが・・・

そんな感じで、再びギルド活動を継続できることになって、楽しいUO生活はもう少し続いていくのだった。

ギルド活動の終焉
楽しいギルド活動は、ギルド結成から半年は続いた。
そして、半年ぐらいたって活動を停止することになった。
理由は単純に、メンバーの私生活の変化である。

・あるメンバーは、引退前に楽しく遊べて満足とともにUO卒業とのこと
・あるメンバーは、進学とともに、UOを卒業とのこと
・あるメンバーは、就職とともに、UOを卒業とのこと
・あるメンバーは、春にサービス開始の新ゲームに移住とのこと

メンバーの半数ぐらいが、私生活の転機を迎えていたため、区切りもいいしということで、解散することにしたのである。
ちょうど自分も、今の平和なギルド活動も悪くないが、他のギルドに興味を持ち始めたしというのもあった。

それでは、自分が作ったギルドの思い出はこれにて終了。
メンバーが増えたり、他のギルドと交流したりと、楽しいことはたくさんあった。
トラブルは以前紹介したものと、今回のギルド石の話ぐらいで、本当に平和で楽しかった。
最初にプレイしたMMOというのもあって、この時以上に楽しかったMMO生活は、以降、なかったし、今後もないかもしれない。

新たなUO生活のスタート
自分のギルドは円満解散し、UO世界も次の拡張アップデートが入ったのもあり、次なるUO生活が始まったのである。
そして、今度はギルドマスターではなく、ギルドメンバーの一人として、UO生活をエンジョイしていくことになったのである。

では、今回はここまで。
次回は、UO回顧録のラストとして、以降、引退するまでのUO生活を思い出しついでに雑に紹介して終わりとしようかと思う。

【オマケ】プレイヤーネームカラー
UOでは、プレイヤーネームの色が重要な意味をもっている

青色 - 普通のプレイヤー / 善良なNPC
灰色 - 犯罪者や攻撃者 / 一般的な動物や中立的なモンスター
赤色 - 殺人者 / 凶暴なモンスター
緑色 - 同じギルドのメンバー
橙色 - 敵対ギルドメンバー、敵対派閥のメンバー
黄色 - 無敵属性を持つキャラクター (ショップのNPCなど)
紫色 - スタッフなど
参照:フラグシステム(殺人/犯罪フラグ)

といった感じだ。
赤色(殺人者※)となると、フェルッカから出られなくなるといった、ペナルティ的なものもある。

※5回以上殺人者として報告され、殺人カウントが5回を超えた状態
ゲーム内ですごしていた「時間」のみがカウントされ、殺人カウントを増やさず、何もせずにいると段々殺人カウントが減っていく。
“@反省 ”と発言する事で現在の状態を知る事が出来るため、“@反省 ”等とネタではなく、トランメルで発言しているユーザーは、フェルッカで出会ったときは危険なプレイヤーかもしれなかった。

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UO回顧録その8
【最終回】UO生活総まとめ


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