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Ultima Online 回顧録その6

前回(回顧録その5)は、UOにおけるギルド活動の中で起きたトラブルを一つ紹介した。
今回は、自分の身に起きたものではないが、オンラインゲームのありがちな闇として、一つの例を紹介しようと思う。

悪意のある人は誰もいなかった
そう、まず最初に言っておかねばならないのだけど、登場人物は誰も悪くはなかった。
ただ、行き着く先が一つのコミュニティの崩壊となったのだ。

一人の新人プレイヤー
同級生(以下P君)のギルド(以下、ピーマソ)に、新しいプレイヤーが入ったので紹介したいと連絡を受けた俺は、興味本位でPコロッケのギルドハウスに遊びにいった。
そこにいたのは、まだyoungとついた、ちょっと前の自分のように、新たにUOの地に降り立ったばかりの初々しい感じのプレイヤー(女性)(以下、Mちゃん)であった。

お気づきだろうか
(女性)といれただけで、お察しの方が多数いるかもしれない。
まさにその通り、こじれたという話である。
今でこそ、ネカマに騙された云々とか、姫があらわれてギルドがクラッシュしただの、そういう話がたくさん起きたため、メジャーかもしれない。
2001年当時は、ラグナロクオンラインの伝説的な「お兄ちゃんどいて」も、「しょうがないにゃあ」も産れる前の時代なのである。

紹介されたMちゃん、先週始めたばかりだとのこと。
会話した感じも、初々しくて不慣れだけど、とても礼儀正しい感じのプレイヤーだった。
P君も、コンパニオンだし、新人のお世話ついでにピーマンにMちゃんを誘ったところ、快くギルド加入となったみたいだ。
そこで、当時ピーマンのメンバーとも遊んでおり、なおかつ、P君より単位が余裕で暇そうな俺に、時間あったら一緒に狩りでも連れてってもらおうという魂胆で、Mちゃんを紹介してきたとのことだった。

Mちゃん「不慣れですが、よろしくお願いします!(><」
※「(><)」は顔文字

とのこと。
いやあ、頼られると照れますね。
めんどい仕事増えたけど。
って感じだった。

目撃された密会
そんなこんなで、ピーマソに参加したMちゃんを、たまに自分のギルドメンバーとの狩りに同行したり、「死んじゃった、助けて(><」といったメッセージを受けて、荷物回収手伝いにいってあげたりと、いうのがしばらく続いた。
そんな感じでしばらく時がたった後、ピーマンのギルドハウス2階にP君とMちゃんがこもっている姿を俺はたびたび目撃したのである。
※ピーマンのギルドハウスの1階にはルーンブックがあり、ダンジョンへの移動の際に利用させてもらうために、よく立ち寄っていた。
俺のギルドハウスは、近くにあったのと、自分の家じゃないのでルーンブックとか置けないのもあった。

いったいどんな会話がされていたのだろう。
当時の俺は、ネット恋愛的なものなんて一切否定的だったし、興味もなかった。
それも当然で、単純にゲームを楽しみたかったから。なんてね!

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UOのアバター(ペーパードール画像)
服の色を染めたりして、制限のある中、個性を出そうと皆さんがんばっていたからか、街中でもなんだかんだ誰さんか識別できた。

ラブラブ(死語)だな?
ある時、いつものごとくピーマンのギルドハウスで、ルーンブックあさっていると、何かの拍子に2階にいるP君とMちゃんの会話している文字列が見えてしまったのである。

P君「Mちゃん、いつ結婚式あげる?」
外にいる俺「ひゅーひゅー!」
P君「!?」

ドタドタと、P君が2階から降りてきた。

お?お?結婚?おめでたいな?
どうやら聞いたところ、UO内結婚の話であった模様。

UO内結婚について
結婚式の牧師として、GMサポートをお願いでき、式場を決めて結婚式を開催することができるのである。
UOではロールプレイが重視されており、まさにTRPGの進化系みたいな感じであった。

そうなのかー、めでたいなー。
ゲーム内の結婚式とか、楽しみだなーなんて、ゆるい感じで俺は考えていた。

そして修羅場を目撃
P君とMちゃんのUO結婚式の話を、UO活に夢中ですっかり忘れかけていた頃、再びピーマンギルドハウスで、P君とMちゃんが会話しているのを目撃しちゃったのである。

P君「Mちゃん、なんでリアル結婚してるって言ってくれなかったの」
Mちゃん「ごめんなさいね、いう必要ないと思って」
P君「じゃあ、会いたいね、とか言わないでくれよ・・・」
Mちゃん「・・・」

おうふ。
速やかにSHAMEダンジョンに移動する僕。

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ゲーム内結婚・恋愛ごっこはありなのか?
ありかなしかでいったら、「ごっこ」なら、ありじゃないかな。
ただ、お互いにゲーム内でのキャラの話(※おままごと)と理解していないと、修羅場が訪れたりもあるようだ。
で、今回の話は、年上の既婚女性がゲーム内ラブアピでP君をもてあそんだみたいな形になってしまった。
特に、ゲーム内のキャラ愛を叫ぶんでなく、「会いたい」などとリアルをほのめかすような言い方も、若者であるP君にはキツかった模様。効果抜群すぎた。
南無南無。

破局の末
結論だけいうと、P君、MちゃんのUO結婚は白紙となったようだ。
そもそも、なんで二人がラブっぽいことになったのかの経緯も俺は知らない。
俺の同級生ではあったけど、細かく聞くのも躊躇してしまって聞けず。
また、Mちゃんはギルドをやめていき、その後はわからない。
キャラを変えて転生してUO生活を新たに満喫していたのかもしれない。

P君は、へこんでしまったみたいで、UOをあまりやらなくなり、当時新しく始まった、リネージュというMMOにシフトしていってしまった。
ピーマンギルドも、ギルマスのP君が活動の主体をリネージュにするとの方針を示し、解散となったのである。
※この辺はきっちりしている。えらい。

後日談
P君Mちゃん問題、ピーマンギルドのメンバーから少し聞いたところによると、Mちゃんきてから、日々、夜通しチャットしてたり、なかなかの激アツっぷりだったらしい。
もともとテンション高くはなく、まったりしていたP君だったので、燃えてる感じをメンバーで暖かく見守っていたとのことで、UO結婚が白紙になってしまったのを可哀そうに思ったとのこと。せめて挙式までは見たかったと。

ギルドは解散してしまったので、一部のメンバーは俺のギルドに入ったり、他のギルドにいったり、気ままにプレイするさーと流浪になったり。そんな感じ。

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画像は、UOで乞食スキルを使ってNPCからお金を恵んでもらう図。

さて、リネージュにいったP君、UOではまったりしたベテランプレイヤーだったが、すべてがフェルッカルール時代のUOでは対人戦闘狂だったようで、リネージュではすべてを忘れるかのごとく、対人戦闘に没頭していたようだ。

そんなわけで
最初の方に書いた通り、悪意はおそらくMちゃんにもなかったはず。
ただちょっといい思いをしたかったのかもしれない。
ただ、そのちょっとしたことで刺激を受けて舞い上がってしまう人間もいるということ。
もちろん、あほだけど舞い上がったP君も悪くない。
ただ、楽しかったはずのコミュニティが崩壊するのはちょっとしたことが原因となることは多い。
もはや、不幸な事故だとしか。

今あるコミュニティは永遠とはならないので、皆さんのコミュニティが楽しいと感じているなら、味わえる間に全力で楽しんでほしい。
とまあ、そういうことを今回は言いたかったんだ。多分。

次回は、UOでのギルド活動の思い出話とすることにする。

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UO回顧録7
UOギルド活動の思い出

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