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旭山動物園と行動経済学①

動物園のイノベーション

「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」
この映画はご存知の方も多いのではないでしょうか?
2009年に公開されました。
西田敏行さんが園長役で主演されまして、
とても味のある演技を見せて下さいました。
そもそも…
「ペンギンは空を飛びません」
しかし!
「ペンギンが泳ぐ姿を下から見上げれば空を飛んだように見える」
のです。
旭山動物園が廃園寸前の状況から、
復活する過程を描いたのがこの映画です。
今の時代に生きるヒントが数多くあると思います。

動物園はヨーロッパで生まれた文化

中世時代、
ヨーロッパの王侯貴族は戦争で他国に行くと、
その土地で見た事のない珍しい動物と出会います。
その動物を摑まえて自国へ持ち帰ります。
そこで…
「地元民に自慢するために飼い始めた」
のがルーツだそうです。
超自己満足ですね。
人間の持つ収集欲求と同じことですね。
日本では明治元年以降、
西洋文化が一気に日本へ入ってきます。
このタイミングで
「動物園」という概念が起きているのです。

動物に対する価値観の違い

皆さんは檻に入れられている動物たちを見て、
素直な気持ちでどう思いますか?
「かわいそう」でしょうか?
それとも…
「かわいい」でしょうか?
どちらもあるかもしれません。
西洋では、
「良くも悪くも生き物と科学的にちゃんと共存しよう!」
という感覚を育んでいるそうです。
日本人は西洋の価値観を借りてきているだけで、
野生動物の見方や捉え方に根っこがなく…
すごく「曖昧」であると言われています。
「曖昧さ」です。
合理的に割り切れていないのです。
これって…
行動経済に似ていませんか?

動物園とは?

動物園は動物園です。
何のコッチャですが。
旭山動物園の坂東園長もおっしゃっていますが、
動物園は博物館や美術館のような、
文化的なインフラではなく、
あくまで娯楽施設の位置付け…
動物園はエンターテイメント施設ではないか?
と言う事です。
日本初の動物園はご存知でしょうか?
あの有名な【上野動物園】です。
時は1882年頃です。
海外交流が盛んとなれば、
様々な文化や動物も入って来ますね。
日本には住んでいない、
キリンやゾウやホッキョクグマ等々です。
日本人はこの動物たちを見て…
「こんな動物がいるのか!」と驚きます。
そして結局…見世物小屋として
地方都市の潤沢な予算にモノを言わせて…
大都市に動物園が生まれて行きます。

いまいる動物たちを大事に…

坂東園長はこう言います。
「旭山動物園に珍しい動物はいません。
いまいる動物たちのことを大切にできないか!」と。
動物園は生きている野生動物を飼うわけですね。
当然…
そのコストは莫大な費用となり圧し掛かります。
お客さんを飽きさせないようにして、
珍しい動物をどんどん入れようとしても…
いたちごっことなるのです。

旭山動物園と行動経済学

命に対する価値観を考える事は大切です。
「自然界の中で命が循環していることをイメージ」
こちらを想像できるでしょうか?
そうなると…
「他者の命」をもっと尊重すべきとなります。
動物や虫だけでなくで、
他の人間の命も…
他者の命を感じさせる場所が動物園である訳です。
「芸ができる動物が話題」になりますね?
でも…
動物の芸を見ても、
その動物の生態や背景には気付かないのです。
大切な事はその背景「バックグラウンド」です。
そこには…
誰もが知らない物語があるのです。
行動経済は「感情で人は動く」ことが大前提で、
理不尽の中でも生き抜いていく知恵と実践なのです。
次回は旭山動物園と行動経済記事②を記載させて頂きます。
お楽しみに!

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