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旭山動物園と行動経済学②

行動展示の定義

旭山動物園と行動経済学の二日目です。
旭山動物園が大成功を遂げたのが、
「行動展示」と言われる展示方法です。
「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」
の映画となったのです。
行動展示とは、
「動物の動く姿を重視」した展示方法です。
動物が本来やりたいことをさせてあげると言う事であり、
動物の持った能力を発揮できる
「環境を作ってあげる」ことを目的としています。

動物が健康になる

行動展示は、
動物が自然に餌を食べる姿、
水の中で悠々と泳ぐ姿、
遊具や地形を使って遊ぶ姿、
基本的に本能として、
やりたいことを存分にさせてあげることがコンセプトです。
これは何に繋がるか?
と言いますと、
「動物のストレス軽減」です。
人間側の欲求を満たすために集められた動物たち。
逆の立場を考えると言葉に詰まりますが…
今回はあくまで「行動展示」と言う観点からですので、
我々人間側も動物が活発で生き生きとした姿は、
見ていて楽しいと感じますよね!
人間社会も同じで…
動物も心を持っています。
動物が健康になる!
と言うのは素晴らしい事なのです。
動物の持っている本来の能力を、
引き出す事も出来るのです。

一筋縄ではいかない

とは言っても、
行動展示が良い!
と分かっていても…
全てが行動展示が出来るか?と言うと、
そうは問屋が…なのです。
何でも一見簡単に思えそうなのですが、
一番重要なのは「安心で安全」です。
動物が存分に動いても、
観覧者が安全な設計で無ければ意味が無いのです。
その上、
動物が檻に入っていたのを慣れてしまって…
遊びを教える必要性も出て来ます。
これはかなりの人件費が掛かりますね…
予算にしても、
通常の檻を作るだけではないので、
かなりの費用も必要になるのです。

動物ファーストと言う概念

行動展示は何を大切にしているか?ですが、
常に「動物ファースト」であると言う事ですね。
世界からすると、
日本は動物に対しての考え方が遅れている!
と言われています。
行動展示はまさに日本式動物園の
イノベーションであるのです。
動物本来の動いている姿や、
生き生きとする姿を楽しんでくれる人が増えたのは、
旭山動物園が起爆剤となったと言っても、
過言ではないかもしれません。
行動経済学は、
「人間の感情」を基に考え出されています。
動物を見るだけであれば、
近くの動物園で十分なのです。
なぜ北海道にある日本最北端の動物園が、
スター性のある動物がいる訳でもない動物園が、
集客日本一となったのか?
どれ位の数がやって来たのか?
少し見て行きましょう。

旭山動物園の収益状況

旭山動物園は、
1967年~80年代まで、
年間約40万人〜60万人が来場していました。
1990年代から遊びが多様化し始め…
1年で約3億円超の赤字を出します。
1996年は過去最悪の約26万人となり…
いよいよ閉園間近となるのです。
そこで有名な小菅園長が誕生します。
そこから動物たちを一番見ている、
飼育員たちの意見を集めたのです。
これが「行動展示」の始まりです。
旭山動物園はⅤ字回復をし始め…
2003年は約80万人突破!
2004年には何と144万人を突破して、
日本一と言われた上野動物園を抜いたのです。
その後何と年間300万人の来場者を数え、
見事なV字回復を遂げたのです。

北の大地で起きた奇跡

旭山動物園はスター性の高い動物が、
いるわけではありません。
どちらかと言うと…
ペンギンやホッキョクグマ等、
オーソドックスな動物だけなのです。
旭山動物園は日本最北の動物園として有名で、
「伝えるのは、命」
と言うコンセプトで行動展示を展開して来ました。
今回の記事で何が言いたいかと言いますと、
「本質」と「知恵」と「行動」
ではないかと感じるのです。
動物の特性や修正を見抜く本質
常に魅力的に見せる為の知恵
情熱的な思いを持った行動
それを具現化したことが成功のカギではないかと。

旭山動物園と行動経済学まとめ

経済と行動経済の「経済」と言うテーマは同じでも、
内容が全く違うように…
生きた動物の身体的特徴を見せるだけの形態展示と、
動物の生態やそれに伴う能力を自然に誘発させて、
観賞者に見せるように工夫させた行動展示では
「動物園」と言うテーマは同じですが、
内容が全く違います。
どんな話題でもネタでも、
行動経済学は活用が可能です。
新しい時代に向けて…
「本質」と「知恵」と「行動」を忘れず、
常に前を向いて行動しましょう!
ありがとうございました!

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