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コラム 「旅の楽しみ 下田編 〜 賀楽太 〜」

【むかしむかし発行していたメルマガの記事から】 
2002年に家族旅行をした下田市で、たまたま入った居酒屋のお話。食べログとかで検索すると、まだお店があるみたいでうれしい。(=^・^=)

「旅の楽しみ 下田編 〜 賀楽太 〜」
by 吉田 柴犬(当誌編集長)

 9月になってから遅い夏休みをとった柴犬家では、2泊で下田に出かけた。

 9月でも泳げるという白浜海岸の美しさに感動したり、旅行前から計画していた金谷旅館の千人風呂では平日の昼間でほとんど貸し切りで泳いだり(^^.)、楽しい思い出ができた下田旅行だったけど、最高に感動したのが、ある居酒屋さんだった。 

 千人風呂に入ってすっかり気持ちよくなって、下田の街に戻ってきて、駐車場に車を停めて、散歩&夕食をすることに。市街を散々歩いて、どこかでご飯を、と思い、お店を探す。とあるこぢんまりした居酒屋が目について、のれんがかかっているので、入ってみると、今日は準備がまだできてなくて、との返事。残念と思って、歩き出すと、のれんをかけている居酒屋さんがあって、そこにふらっと入ることにする。

 「賀楽太(がらくた)」という名前のこの店も小さくて、ママさん一人でやっている様子。とりあえず生ビールをお願いするけど、豆柴のジュースは置いていない。お水でいいです、というと、何か買ってきてくれるとのうれしい返事。

 生ビールと一緒に、いものつるのぬか漬けが突き出し。さつまいものつるを食べるのは初めてだけど、食べ方も皮をむいてかじるのが楽しい。ちょっと酸味があって野趣にあふれた味。お孫さんのために作ってたから、と豆柴にはホワイトシチューと大きなぶどうを出してくれて、ちょっと感激。豆柴もばふばふ食べる。

 ここはどうも料理はおまかせのようで、何も言わずにどんどん料理を出してくれる。ほどよい甘さの煮豆、鰺の刺身、ムロアジの干物と続く。鰺は歯ごたえがあってこりこりしている。ムロアジは小ぶりで骨まで食べられる。すると、三枚に卸した鰺の残りを塩焼きにしてくれて、大根おろしと一緒に出してくれる。これが脂がのっていて、めちゃ美味!あー、どんどん食べちゃうぜ。

 次は鰹のカルパッチョ風。しょうゆ系のドレッシング、野菜と鰹はとても合う。トコブシの煮貝。これはまた抜群で日本酒が飲みたくなる。そして、脂ののった鰹の照り焼き、うーんご飯が食べたくなるけど、お腹が一杯だ、と思っていると、少しだけ食べてみなさい、こののりが美味しいんだからと、地元ののりとご飯。確かにのりはしょうゆがちょっと振ってあって、磯の香りがして、ご飯と絶望的に合う。ばふばふ食べる。 

 途中、豆柴には本当にわざわざジュースを買ってきてくださる。それにママは車を置きに行って来るとか、何回か店を留守にすると、我々家族だけになって、何かちょっと変。途中、電話がなってましたよ、と、ママに伝えると、出てくれていいのに、と言われて困る。1時間ぐらい夢中で食べて、生ビール2杯とこれで5700円は本当に安い!!のりがとても美味しかったと言うと、近くのスーパーで買えるとのこと。帰りに買っていきます、と言いながらお勘定をすると、おつりがなくて、また両替に行ってもらう。すると、わざわざお土産用にのりを一袋買ってきて下さって、本当に感激してしまう。

 お店を始めてまだ5年ということだけど、本当に温かい雰囲気のお店で、地元の常連さんが多い、というのも頷けてしまう。

 お店の名刺をいただいて、下田に来たら必ず寄ります、とあいさつして、小雨の中を歩いて駐車場に向かいながら、あー、下田に来て本当に良かった!と夫婦で話しながら、とてもいい気分だった。

 あのとき、最初に入ったお店が準備が出来ていたら、きっとこのお店には立ち寄れなかったんだな、というと一期一会をいう言葉もおおげさでなく実感する柴犬だった。

 下田に行ったときは必ず寄ってね。\(^^)【柴】

賀楽太(がらくた)
  下田市1丁目20-20
  TEL.0558-27-2312
  営業時間 18:00〜23:00
  定休日  月曜日(予約の場合は営業)
  駐車場  無

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隔週刊メールマガジン 浜松ショッピング&ダイニングガイド「浜州鳥」発行日: 2002.09.15 発行 第142号

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