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吉田勝幸の商店会放浪記 第4回

ローロク出〜せ〜♪

私が幼少の頃(昭和50年代)は近所の大人達からお小遣いや、お菓子等を貰う行事や交流の場が多くあった。そこで子供たちは社会に役立つ貴重な体験をし、あの手この手の知恵をしぼり、たくさんのアイテムを手に入れた。

「ローソンク出〜せ〜出〜せ〜よ〜 出〜さ〜ないと〜 ひっかくぞ〜 お〜ま〜け〜に〜かっちゃくぞ〜♪」七夕の夜になると、子供たちは隣人のお宅にローソクという名のお菓子やお小遣いをもらいに袋を持って颯爽と出かけるのである。

ジャンケンをして、負けた人は緊張の面持ちでピンポンを押す。うるさいオヤジに怒られないように、第1声は子供らしく元気に...。本当にローソクをくれるおばあちゃんがいても、にこやかに...。とにかくアイテムを貰ったらお礼を言って帰る。

行事を通して、社会に必要な、事前調査と段取り力、日頃の良好な人間関係構築力等を学んだ。最近は個人情報保護法のせいなのか?『ローソク出せ』や『建前の餅まき』等の行事が減り、大人と子供の関わりも希薄化している。商店会はこのような良き文化は継承していくべきなのだと思う。

2015年1月号 吉田勝幸

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