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note酒場で出会った人たち(後編)

前編はこちら


出会った人たち全員のことを書くと全5回くらいになってしまうので、「前からnoteで親しくしていて、今回初めて会った人たち」に限定して書こうと思う。

うさこさんがデザイナーの竹鼻良文さんと話していたので、話に交ざる。

竹鼻さんとはよくnoteやTwitterでやり取りしているけど、お会いするのは初めてだ。アイコンの写真どおりだったのですぐにわかった。

「吉玉です」と名乗り、名刺を差し出す。竹鼻さんは名刺を見て初めて「あ、吉玉さん!? 全然気づかなかった!」と驚いていた。

少し世間話をして、「そういえば中野さんは?」と聞いてみる。

「中野さん」とは、デザイナーの中野健太さんのこと。Twitterで、竹鼻さんと中野さんが仲が良いことは知っていた。

すると、竹鼻さんは少し離れたところに座っていた男性に「アロハ、来て来て」と声をかける。中野さんは、アイコンがアロハシャツを着た写真なのだ。だからってアロハ呼ばわり……。

12月なので当たり前だけど、この日の中野さんはアロハシャツは着ていない。ニットの上にコーデュロイのロングコートを羽織っていた。

私がふざけて「アロハシャツじゃないからわからなかったです」と言うと、場はそこからしばらく中野さんのアロハいじりに。最終的に「裏起毛の長袖アロハを商品化すれば冬もイケる」という結論になった。

だけどもしかしたら、ニットのインにアロハを着て襟だけ見えてるほうが「そうまでして着たいのかよ……!」って感じでジワジワくるかもしれない。


夜の部が始まり、いったん会場を離れていた少年Bさんが、佐々木かえでさんとねおみのるさんを連れてくる。

ふたりとも顔出しでオモシロ系のブログを書いていて、いつも記事を読んでいる私はすぐにわかった。

ねおさんの記事はオモシロいことをやっているわりに淡々としたテンション(そこが面白い)。ご本人も記事の通りで、オモシロいけど落ち着いたお兄さん、という感じ。

本物のかえでさんは、写真以上に可愛かった。声も声優さんみたいで可愛い。

とてもじゃないけど、公園で水をかぶる人には見えない(かえでさんのブログにそういう記事がある)。

かえでさんのツイートやnoteはだいたい共感できる内容で、すごく自分に近いものを感じる。だから、「たぶんかえでさんも私と同じで、にぎやかな場所が好きなわりに人疲れするタイプなんだろうなぁ」と思った。


その後、noteで交流のあるRemi Hirabayashi.さん(以下、レミさんと表記)を見つけて声をかける。

実は、その数十分前にレミさんが「急遽note酒場に行くことにしました」とDMをくれていた。ピンクのワンピースを着ているとのことで、目で探したらすぐに見つけられたのだけど、次々と話しかけられていたので声をかけるタイミングがなかったのだ。

ネットの写真で美人なのは知っていたけど、ガチの美人で驚く。港区を歩ける人だ。

レミさんは「吉玉さんの記事で一番好きなのは『無駄な恋愛』で……」と、記事のタイトルまで覚えていてくれた。

その記事は、私が無職のときに書いたものだ。「現実逃避でnoteを書きまくっていたあの日々は無駄じゃなかったんだ……」と思うと、泣きそうになった。

ビールを買っていると、ヤマシタさんに「うすいさんの隣に座ってる女性、吉玉さんと話したいんだって」と声をかけられる。

嬉しいなぁ。だけど、こんな「満を持して」みたいな登場の仕方、ハードル高いな。私、オードリー春日かよ。

ドキドキしながら向かうと、コートを着たままのおとなしそうな方。フリーランスで事務をやっている嘉晶さんだった。

「フリーランス事務」というのが前から気になっていたので、どういうきっかけで独立したのかなど質問攻めにしてしまい、途中で「取材じゃないんだから!」と自分を戒める。嘉晶さんは、ひとつひとつの質問に丁寧に答えてくれた。謙虚だけど卑屈さが微塵もない、まっすぐな人だ。

嘉晶さんがあまりにも「ファンです」と言ってくださるので、めちゃくちゃ嬉しい反面、「こういうことが続くと、私、調子に乗ってしまいそうだなぁ」と少し怖くなった。

私は調子に乗りやすい。褒められたぶん打ちのめされないと、人間性のバランスが取れない。


その後、私はキッチンでなんとか任務を全うし(思った以上に仕事ができなくて軽くへこんだ)、終バスに間に合うように帰宅した。

こうして、私のnote酒場は無事に幕を下ろした。倒れなくて良かった。

会いたいと思っていた人たちに、ようやく会えた。

帰り道、ひとりで夜の団地を歩きながら考える。

今日会った人たちのことを、私は「友達」だと思い始めている。

それはとても喜ばしいことだ。山小屋をやめたとき、「もう友達なんてそうそうできないんだろうな」と思っていたから。

だけど、これ以上「友達」にならないように気をつけよう。

私は自意識過剰だ。「友達」に読まれると思うと、嫌われることを恐れて書けなくなることが絶対に出てくる。

「誰にどう思われたっていい。批判されて嫌な思いしたらアカウント消せばいいんだから」という思いで書き始めたnoteなのに、人目を気にして書けないことが出てきたら本末転倒だ。

「嫌われたくない」と思える相手ができたことの喜びと、自分の文章が守りに入ってしまうことへの恐れ。

ジレンマだなぁ……。

バランスを取るためにも、「吉玉サキ」として人に会う頻度は抑えていこうと思った。


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