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回答編〔仕事に応募する際、心身の不調を伝えるべき?〕

いただいた質問に答えます。

全く売れてないですが構成作家をさせて頂いています。
先日、「企画案を出せる人を募集」という先輩作家さんの告知をネット上で見つけて応募したところ、LINEアカウントを教えて下さいというメールを頂いたのですが、それに返答する際に「心身の具合があまり良くないのでどこまでできるかわかりませんが」という言葉をつけてしまったところ、「戦力を探しているので」と断られてしまいました。
自分でも何であんなことを言ってしまったんだろうと悔やんでいます。
でも言わないといつか迷惑をかけてしまう気がしたんです。
だとしてもこういう応募の際には隠しておいた方がいいのでしょうか?

                       Momo88(男性/30代)

とても残念なできごとでしたね。

ご存知かもしれませんが、私も心身の調子を崩しやすいです。私も同じ立場なら悩むだろうし、落ち込むと思います。

Momo88さんはとても誠実な方なんだと思います。「言わないといつか迷惑をかけてしまう」と、採用に不利な情報をあえて伝える。それは、相手への誠実さであり、責任感です。

不誠実で責任感のない人であれば、心身の具合のことを隠して採用され、いざ調子が悪くなってばっくれる……ということもできたと思います。

さて、質問は「フリーで仕事をしている人間がある企画に応募する際、採用側に心身の不調を伝えるべきかどうか」ですよね。

あなたは、迷惑をかけたくないという思いからそれを伝えた。それはとても誠実なことだと思います。

しかしながら私は、「心身の不調」については伝えてもいいし、伝えなくてもいいと思っています。

なぜなら、私が採用する側(今回の場合であれば先輩作家さん)だったとして、知りたいのはそこじゃないからです。

私なら、応募者に望む条件は下記のとおりです。

①いい企画案を出してくれるか
②企画にコミットしてくれるか

先輩作家さんも同じような考えだったのではないでしょうか。それは「戦力を探しているので」という言葉からも伺えます。

つまり先輩作家さんが知りたいのは、あなたの心身の状態ではなく、①あなたがいい企画を出してくれる人材か、②あなたが企画にコミットしてくれる人材か、ではないでしょうか?

私が先輩作家さんであれば、①はあなたの過去の実績を見て判断します。

そして②は、対話(メールやLINE、直接会ってなど方法はさまざま)から、あなたの人柄や熱意を推し量ります。

あなたが「心身の具合があまり良くないのでどこまでできるかわかりませんが」と伝えたところ、断わられたとのこと。

あなたは前半の「心身の具合があまり良くないので」に重きを置いているように見受けられますが、採用する側にとって重要なのは、後半の「どこまでできるかわかりませんが」の部分だったのではないでしょうか?

どこまでできるかわからない。これってつまり、「企画にコミットできない可能性がある」という宣言です。

私が採用する立場なら、「この人大丈夫かな。途中でやめたりするんじゃないかな」と不安になってしまいます。

私なら「絶対に面白い企画を出して、最後までやり抜き、成功させてくれる人」を採用したいです(まぁ、そういうことを言う人は口だけの可能性もあるので、慎重に見極めないといけないわけですが……)。


仮に、あなたがこの企画に採用されていたとして。

企画の途中で仕事から降りてしまう可能性は、どのくらいあったと思いますか?

あなたの言うとおり、もしもそんなことになったら、一緒に企画を進める仲間に迷惑をかけてしまいます。

その場合は、採用されなくてお互いに良かったのではないでしょうか。

前述の通り、私も心身の調子を崩しやすいです。だけど、私は今まで連載の話をいただいたとき、「やります!」と即答してきました。心身の不調のことも、特に伝えてません。不誠実なことかもしれません。

だけど、調子が悪くても原稿を落としたことは一度もありません。

やると言ったからにはやる。誰にも迷惑をかけていないし、誠実にやり抜いたという自負があります。あ、でもこの有料マガジン企画はやるやる言っててダメになっちゃった。すみません。

今のあなたには、まだ「たとえ心身の調子を崩しても、絶対にやり抜いてやる!」という自信がないんですよね?

それは仕方のないことです。「自信を持とう!」なんて言われたところで、持てないものは持てないし。自信のなさを責めても仕方ない。

この先、調子を崩しやすい中でもコツコツと実績を積み重ね、「これだけやれたんだから自分は大丈夫!」という自負が芽生えれば、「どこまでできるかわかりませんが……」などと言わずに応募できるようになると思います。

心身の調子に関しては、治療をしてください(仕事がままならないほどであれば、治療を優先してください)。そして、健康的な生活を心がけてください。

その上で、構成作家の仕事を地道に頑張ってください。その先に、自負が芽生えると思います。

応援しています。

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