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『農業新時代』を読んだ

読売新聞経済部が出している『農業新時代』を読んだ。小泉進次郎さんがドヤ顔している帯が印象的。前半は農業に関わる政治や農協絡みのことが書かれている。後半は海外の事例や日本の事例を通して先進的な今後の農業の形を紹介してくれている。この本は2017年5月発刊。

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この本を通して心に残ったトピックは3つ。一つは農協改革、もう一つは収穫ロボット、そして最後は小泉進次郎。

日本の農業を統括している農協。全中、全農、共済連、農林中金、厚生連を頭に各都道府県、市町村にも各地のJAやJAバンクが存在する。ものすごく巨大な組織だ。この本が出版された時点では農協は農産物販売ではなく、農家向けの金融や資材販売で利益を出していたらしい。つまり農家と一緒に商売して儲けているのではなく、農家に向けて商売して儲けているということだ。本来農家のためにあったはずの農協が、農家ではなく農協という組織のために存在してしまっていることに問題があると主張している。もちろん中には農家の所得向上のために努力している地域のJAもある。ただ、全体としてその問題に対する改革が進み始めたのはTPP締結直前の2016年ごろかららしい。JAグループのホームページを見ると2014年と書かれているが、いずれにしてもすごく最近なことに驚いた。

同じく2016年に産学連携で開発が始まったのがりんご収穫ロボ。これについては2020年の12月に動画付きで紹介しているウェブ記事があった。それによればすでに人と同じ速さでりんごを収穫できるようになっているらしい。本の中では2025年ごろに600万円以下で販売される予定と書かれていた。現時点で人と同じレベルなら、販売される頃には人よりも効率よく収穫できるようになっていそうだ、それが600万円以下ならすごく安いと思う。ウェブ記事中の動画を見てみると、農園をロボットが動いている様子がとても未来を感じさせる。

そして、最後は小泉進次郎。環境大臣になって以降、セクシー発言や今のままではいけない発言などが話題になってしまった小泉さん。僕もあまり好意的に思っていなかったけれど、この本を読む限りでは、実は結構頑張っているんだなと感じた。特に2016年の農協改革では、若くして自民党の農林部会長を努めていた小泉さんが旗振り役として活躍していたらしい。メディアの報道ではおかしな部分だけが取り上げられがちだけど、実際は結構しっかりとしたリーダーなのかもしれない。やはり、一面だけを見てその人を評価するのは良くないんだなと改めて思った。

『農業新時代』は記者目線からの農業絡みの問題や先進的な取り組みが読める本でした。

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