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続続・高校入試と、色々なこと。

どこを受ける?


私立は、どこに照準を当てるか?当たり前ですが、全ての高校を受けるというのは不可能です。日程が重なったらアウト。当時の日程順に、

1日目:市川か、昭和秀英
2日目:渋谷幕張
3日目:東邦大東邦か、日大習志野

と、受験校候補が並んでいました。

1日目、ですが、当時の市川高校は男子校でしたが、高校受験当時の僕は、あまり男子校に興味がなかったのです。

というのも、妹が二人いて、妹とお互いのマンガを交換して少女漫画を読みまくっていた僕としては、男子しかいないコミュニティで生きていける気がしなかったのです(実際には何とかなったのだろうけど)。

というわけで、昭和秀英を受けることにしました。

2日目は、渋谷幕張。今や日本の共学校の頂点に君臨するイメージのある学校ですが、当時はまだそういう感じでもなく、県内有力私立の一角という感じでした。当時、何校か高校見学に行き、一番いい印象を持った学校でした。明るくて楽しそうで、今っぽいリベラルな学校だな、という印象で、不遜な言い方ですが、「千葉高に落ちたら渋幕かな」と当時は思ったものです。
声の教育社から出ていた過去問を練習していて、最初にやり始めた最近の問題では苦労したが、昔の問題に遡っていくと、スラスラできるようになっていった。当時は、「ああ、だんだん学力がついてきたんだ」と思いました。しかし、ちょっと冷静になればわかります。それは、急激に難化している、ということだと。

3日目。ここが一番悩みました。今や高校受験を廃止した東邦大東邦と、この中では唯一、中学を併設していない日大習志野。確実に一校おさせるという意味では日習をとるところ。
でも、日習の数学は難問が出ることで有名で、そこまでの数学力はない。
東邦大東邦も伝統のあるいい学校だし、さて、どうしよう…。決め手は、理科でした。当時、東邦大東邦の高校入試には理科があり、僕は理科社会で得点を稼ぐ傾向にあったので、東邦大東邦に突っ込むことにしました。

私立高校の入試は2月上旬。中3の1月、塾で最後のテストがありました。2学期に一時低迷していた時期を抜け出し、5教科偏差値69まで回復。塾からは、筑波大附属(!)の受験を薦められましたが、流石に恐れ多くてお断りし、県内で固めることにしました。

結果…

いよいよ本番。
海浜幕張に二日続けて受験に出向きました。

手ごたえがない…。

特に、二日目の渋幕を受験した時、かなり焦りました。

過去問より、はるかに難しいような…。

もちろん、何度も解いていて、回答を覚えてしまっている過去問より難しいのは当たり前なのですが、それにしても90年代後半、渋幕は急激な難化をしていたのだと思います。

そして私立高校最後の東邦大東邦。
ここは、何とかできているような気がしました。

この日、昭和秀英と渋幕の合格発表があり、父に頼んでみてきてもらいました。東邦の受験を終えて、津田沼駅に着いてから家に電話して迎えを頼みましたが、最寄り駅の到着予定時刻を告げると、

「うん、わかった」

だけ。イヤな予感が…。
そして、最寄り駅について、父の運転する車に乗ると、

見て来たけど、どっちもダメだった

うお…!マジか…!

流石に焦りました。確かに、手ごたえがなかったけど…。

受験の厳しさを知った瞬間でした。(なので、私は『二月の勝者』の15巻、16巻のくだりは非常に共感しました)

千葉県の場合、私立高校の合格発表後に、公立高校の志望変更ができます。難関私立に全滅した(千葉市在住の)千葉高志望者の場合、公立を千葉東受験に切り替えるパターンが多いと言われています。
このままだと千葉東も難しいのかも…。不安が過りました。

数日後、習志野市にある東邦大東邦に合格発表を観に行きました。

落ちてたらどうしよう…。

その瞬間、千葉高を目指してきた受験も、終わってしまう。

覚悟を決めて、掲示板を見ました。



受かってる!!


よかった!!!

受付にいくと、

おめでとうございます!

と先生に声をかけられました。

「ありがとうございます!!」

この瞬間は、本当に嬉しかったです。

中学校に戻り、そのまま千葉高を受けると先生に伝えました。

流石に先生も、何も言いませんでした。

そういうわけで、東邦大東邦には本当に感謝しています。
高校募集が廃止されてしまったのは少し残念な気もしますが、
学校ごとの考えもありますし、時代も変わっていくのでしょう。

そして公立入試本番へ

千葉高から志願変更しない。
あとは当日、いかにいい点をとるか。

いや、それは正確じゃない。

全教科、満点を取りに行く


それが目標でした。

内申の悪い僕には、それこそが唯一の戦略だと思いました。
(戦略でも何でもないですねw)

幸い、試験本番は、落ち着いて臨むことができました。
私立の難問に苦しんだ後に公立の問題を見ると、
無理のない感じがして、安心しました。

2日目の数学が終わり、

やり切った…。

そう思いました。

翌日、中学校に行き、自己採点の結果を告げました。

英語:100点
国語:100点
数学:95点
社会:98点
理科:95点

合計:488点

やれることはやりましたが、平均点が高かったら困りますね

と先生に言うと、

先生「お前、本当に真面目に採点したのか?」

僕「あ、はい。大丈夫でしょうか?」

先生「480点台なんてお前だけだ!絶対受かる!」

と言われ、安堵しました。

そして、合格発表当日。

千葉高に行き、合格発表を観に行きました。時間になり、掲示板から幕が外されると、

あった!

と叫びました。

長かった…ようやく終わった…。と思いました。

後日、点数の開示に行くと、ほぼ自己採点通り。
社会が一点多く、実際は489点でした。
学校からは無理だ無理だと言われ続けた千葉高。
途中、かなり危ない時もありましたが、
結果的にはクリアすることができました。

普段学校の中間・期末は450点もとれていなかったのに、

学年成績は公立中で20番くらいだったのに、

内申書の平均は4もなかったのに、

本番で点を取れば受かる!

ということがわかった高校入試でした。

内申書の比重は県によっても違うので一概には言えないのですが、
テストで点を稼ぐ自信のある人にとっては、千葉県の公立高校入試は向いていると思います。
もちろん、今と当時ではシステムもかなり変わっているのですが、
(あと、僕の時より満点はとりにくくなっているとも聞きます)

閑話休題

で、話は本題に戻りますが(今更かいw)、
そんな僕がどうして中学受験や小学校受験の本を作ったのか。

それはシンプルに、人によって求めるものが違うだろうと思っているからです。

どういう教育がよい教育か?

その答えは、誰かに決めてもらうものではなく、
それぞれが選んでいけばいいのかな、と思っています。

ですので、僕は選択肢を提示したいけれど、どれが正解とも言いたくないのです。

その一方で、「もし、幼いころからやり直すとしたら、どういう選択をしていたのだろう?」と思うこともあります。

僕自身は転校続きだったので、幼馴染がほとんどいないのです。
だから、小学校時代からの友人が大勢いる人たちを見ていると、
羨ましくなる気持ちもあります。
私立小学校に行く場合、長い時間をかけて友人たちとの関係を築いていけるのではないか(もちろん、公立で転校しなければそれはそれでもいいのですが)。
その時、地元の繋がりを大事にしたいか、ある種の教育理念みたいなものを大事にしたいか、それはどちらであってもよいように思うのです。
どちらにしても、僕が持てなかったものを持つことはできる。

大人になった時に、
職場が人間関係の全てになってしまうと、ちょっと怖いような気がします。
学生時代の友人だったり、趣味のつながりだったり、ボランティアやNPOだったり、様々なつながりがある方が、人は強くなれると思います。
もちろん受験には結果が付きまとうので、それは甘受しなければならないのですが、
それはそれとしつつ、次にどういう挑戦をしていけるか、
誰と仲良くなれるか、そういうことが大事なのだと思います。

そういう意味では、
なごみゆかりさんの『私立小学校を受験しようと思ったら読む本』は、
実際に受験をするかどうかは別にして、学校と家庭というものについて考えるいい素材にもなるはずです。
どういう答えをだしてもいいと思いますが、答えをだすための壁打ち相手になってくれる本だと思います。

小さなお子さんがいらっしゃる方、是非一度ご覧になってください!


一応大学受験についても書いておくと、
1浪して東大文3に落ちて、慶應の法学部政治学科に入りました。
(学部系統が一致していないとツッコミがあるかもしれませんが、
国際系や語学に強いところ、教養重視なところは似ていますし、大学に入ってみると同じ併願パターンだった人は大勢いました。また、歴史や文学研究に人生をかける勇気がそこまでなく、現実的に就職活動を意識した側面があったことは、恥ずかしながら認めなければなりません)

もちろん東大に入れなかったことは当時は残念ではありましたが、
慶應の持っている理念や、人との繋がりのような価値観からは多くのことを学んだように思いますし、公立育ちだった僕が今までに会ったことのないようなタイプの友人ができたことも大きかったな、と思います。
その意味では視野を広げてくれましたし、私学の理念のようなものへの理解も深まり、それがこうした企画にも繋がっていると思っています。

いやー、自分の受験記録を振り返るというのは滅茶苦茶恥ずかしいですね(苦笑)。
でも、振り返ってみると色々整理できますし、今につながる自分を再認識できます。アラフォーになると、「あれ?なんで今自分はここにいるんだろう?」と思うこともあったりします(しませんか?笑)
そうした時に、過去を棚卸してみて、未来を見つめるということがあってもいいのかもしれませんね。


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