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猫耳月 #シロクマ文芸部

 月の耳が削られたのは 遥か昔
 遠い記憶を呼び起こす 今は昔

 ひさかたの太古の月には
 さながら耳のようにピンと立つ
 ふたつの山がそびえていたと
 話していたのは誰だったか

 あるとき太陽がぎらぎらと
 ギザギザのブーメランを放ったので
 山は根こそぎのうなった
 そうだ老婆はそう言って
 歯のない口で笑っていた

 かつて月にはふたつやま
 それは見事な猫の星
 満月の夜は猫たちが
 猫耳月の光浴び
 踊り狂っていたそうな

 踊り狂っていたそうな





 すっかり「シロクマ文芸部」の面白さにハマってしまいました。
 今回はインスピレーションで即興散文詩にチャレンジ。


#シロクマ文芸部