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HTB三浦さんと出会い真のサーバレスを知った話

あなたは真のサーバレスアーキテクチャを見たことはありますか?

北の大地、北海道。その土地に彼はいた。北海道テレビ(HTB)で働く社内開発チームのリーダでありエンジニア、そしてAWS COMMUNITY HEROでもある "三浦 一樹"氏だ。

三浦さんは、HTB内における"hod"と呼ばれる北海道テレビが提供するテレビオンデマンドサービスと"HTB Online Shop"という名前のまんまだがHTBの公式グッズなどが買えるサービスなどを手掛けている。

実は、これらのサービスなのだが、三浦さんの宗教上の利用で"VPC"を一切使わずにサービスを構成しているフルサーバレスアーキテクチャで構築、運用されている。
本当にここは徹底していて基本的にはAWSを、AWSで提供されているサービスでは難しい場合についてはSaaSを活用し、作り上げられているのだ。

その全容を知るには、彼が公開している資料を読むとよく分かる。

例えば、下記の資料だ。
ざっくりアーキテクチャの図が紹介されており、その中で"AWS StepFunctions"を利用しECサイトの注文の受けからその後の処理を実装し、その処理の途中で処理が失敗した時の補償トランザクションを組んでいった結果Sagaパターンぽくなったという話なのだが、ここで注目いただきたいのは、そのーアーキテクチャだ。

アーキテクチャで出てくるAWSのサービスのどれもがVPCを必要としない、比較的AWSの中でもサーバレスと言えるサービスのみで構築されているのだ。

引用元: https://speakerdeck.com/miu_crescent/qi-gatuitarasagapatanninatuteita-shao-ren-shu-deyun-yong-surusabaresubatukuendo?slide=12

引用元: https://speakerdeck.com/miu_crescent/qi-gatuitarasagapatanninatuteita-shao-ren-shu-deyun-yong-surusabaresubatukuendo?slide=44


下記の例は、最近"hod"にて「水曜どうでしょう」の最新作が配信されることに伴い、アーキテクチャの改善をする中で"キャッシュ"の機能を導入した話だ。
AWSにもちろん"ElastiCache"や"DAX"というサービスが存在する。ただ、これらのサービスももちろん三浦さんの宗教上の問題で"VPC"は使えないので、どうしたものかとなった時にMomento CacheというSaaSのサービスを利用しキャッシュを既存のワークフローに組み合わせた、そんな事例を紹介したものになっています。

引用元: https://speakerdeck.com/miu_crescent/momentohui?slide=41

他にも面白い事例はたくさん紹介されています。
三浦さんの"HTB"での事例については、下記の資料を読んでみることをお勧めします。

なぜフルサーバレスアーキテクチャなのか?

ここまで読んでいくと、きっと読者はこんな疑問を持ったのではないでしょうか?
なぜ、そこまでサーバレスにこだわるのか?”と。
これはあくまで私の考察ですが、まず前提としてHTBにおける内製開発チームの人数を紹介したい。どの資料にも書いてあるのだが"3年前にシステム開発未経験者たちが集まりスタート。今では5人のチームだがその人数で内製開発を行っているのです。"
たった5人でシステムの開発、保守、運用までをやりつつ売り上げを上げていかなけれいけない。そんな環境だからこそ、運用の手間がかからない、直感的に扱える。インフラにかかるコストをなるべく抑え、学習コストも下げたい。そんな要件を叶えることができるのが"サーバレス"という技術なのです。
ただ、こんなケースって稀かなと思いつつ、世の中のエンプラの中で内製開発をしよう!と立ち上がった初期のフェーズなんかだと、これくらいの人数で開発、保守、運用までやらなければいけないケースってあるんじゃないでしょうか。もちろんエンプラだけではありません。シードのスタートアップも一緒ですよね。少ない人員の中でいかに楽できるか。コストを抑えられるかを選択していくと必然と"サーバレス"という技術に行きつくんですよね。

まとめ

三浦さんと出会いすごいなと思ったのは、本当にここまでVPCを使わずに試行錯誤しここまで本番のサービスを続けてきたことにあります。
サーバレスも突き詰めるとさまざまな仕様の制限により自由が効かなくなる場合も往々にしてあります。が、それを乗り越え、ここまでサーバレスを突き通してきたHTBの開発チーム、三浦さんに感動し、今回この記事を書かさせていただきました。

追伸

いつもありがとうございます!!!!!!


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