見出し画像

652. 貯まっていた5つのMedscape記事を放出

1. A Common Cold Might Set Some Up for Long COVID

https://www.medscape.com/viewarticle/996752

リウマチ性疾患の既往があり、季節性コロナウイルスであるOC43感染の既往歴がある人は、Long-COVIDを発症するリスクが高いよう。研究結果は、9月6日にScience Translational Medicine誌に発表された。OC43への免疫により中途半端な免疫応答がSARS-CoV-2に起こり、これがLong-COVIDと関連している可能性があるとのこと。

2. Artificial Sweeteners in Processed Foods Tied to Increased Depression Risk

JAMA Network Openに9月20日掲載。超加工食品の摂取量が多い参加者は少ない患者に比べ、厳密なうつ病定義で1.49倍、広義のうつ病定義で1.34倍、うつ病を発症しやすかった。多変量解析では、人工甘味料入り飲料(HR  1.37)と人工甘味料(HR 1.26)のみがうつ病リスク増加と関連していた。UPFの摂取量を1日3サービング以上減らした人は、各4年間の摂取量が比較的安定している人と比較して、うつ病のリスクが低かった(HR 0.84)。まあ逆に、うつ病になるほど忙しい人は超加工食品をよく食べる(飲む)というのはあるかもしれない。

3. Worm Pulled From Woman's Brain in Case That 'Stunned'

64歳の女性が白血球、CRP高値で肺炎と診断された。その後、腹痛と下痢が始まり乾いた咳と寝汗が出た。3週間の症状持続後、入院した。自己免疫疾患や寄生虫感染の検査を行ったが原因がはっきりせず、3週間後、精査したところ、好酸球高値、肝臓、脾臓、肺の病変を発見した。細菌、真菌、マイコバクテリアの培養は陰性であり、便にも寄生虫の痕跡はなかった。患者は、物忘れがひどくなり、さらに抑うつ状態になった。その後、脳MRIで右前頭葉に病変が見つかったため開頭術が施行され、寄生虫が発見された。発見された寄生虫はOphidascaris robertsiというもので、ニシキヘビに生息する回虫であった。原因は、彼女が食採取した野草に付着していた幼虫の卵を不注意で食べてしまったことが推測されている。

4. Pediatric Brain Tumor: A Diagnosis You Don't Want to Miss

Christopher J. ChiuとJessica Haneによる小児脳腫瘍についての対談。
心配な頭痛:激しい頭痛や突然起こる頭痛。多くの場合、持続的で進行性の頭痛で、痛みは悪化していく。患者はしばしば、朝起きたときに痛みがあるとか、体位性頭痛を訴える。嘔吐の後に頭痛が改善する場合は、頭蓋内圧亢進の赤信号。その他に心配なのは、めまい、脱力感、視覚の変化、頻繁な転倒などの神経症状、頭痛に加えて神経学的な変化があれば、赤信号。年少の子どもの場合、頭痛を訴えられないこともあるが、親が異変に気づくことがある。食欲がない、いつもと様子が違う、騒がしくなった、嘔吐するようになった、歩き方が変わった、以前は上手に歩いていたのに突然壁にぶつかるようになった、など。

新たに頭痛を発症し、嘔吐で改善した患者がいた場合:経口避妊薬やニキビ治療薬など、頭痛を引き起こす可能性のある薬の服用を確認。喫煙や薬物使用についても。さらに、脳神経、運動機能、筋力、協調性、歩行評価、小脳機能など、頭からつま先までの神経学的診察。眼底鏡検査を行い、頭蓋内圧亢進の徴候である眼の奥の乳頭浮腫を確認。そこで脳腫瘍の可能性が高いのであれば、頭部画像検査。子どもに鎮静剤を投与して画像を撮るのであれば、造影剤を使用したMRIと造影剤を使用しないMRIを撮るのがゴールドスタンダード。

治療:ほとんどの小児脳腫瘍では、外科的全摘術がゴールドスタンダード。それに加えて、化学療法、免疫療法、放射線療法を行うこともある。子どもの場合、放射線は発達中の脳に影響を与えるため、最後の選択肢となる。

5. ADHD Underappreciated in Older Adults

https://www.medscape.com/viewarticle/996800

注意欠陥障害と診断される高齢者は全体の半数以下であり、その多くは治療されていない。注意欠陥障害(ADHD)を治療しないと、失業、所得水準の低下、教育達成度の低下、人間関係維持の困難などにつながる可能性がある。おそらく成人の5%がADHDであり、遺伝性が強い。高齢者のADHDを診断するには、プライマリケア医や家庭医が最適であることが多い。しかし、これらの医師はまず、患者がADHDなのか、別の疾患なのかを突き止める必要がある。臨床医はADHDの症状を軽度の認知障害など他の老化症状と見分けるのに苦労するかもしれない。

成人ADHDの診断に関する米国の正式なガイドラインは存在しないが、通常、慢性的な忘れっぽさ、注意散漫、先延ばしなどの症状を呈する。この年齢層の多動は子どもに見られるような目に見える多動ではなく、内面的な落ち着きのなさとして現れる。ADHDの可能性を評価するために、6項目のスクリーニングテストを行う。簡単なスクリーニングテストで、6項目のうち4項目以上に困難があると報告された場合、臨床医は世界保健機関(WHO)が開発した、より長い18項目のスクリーニングツールに移行する。ADHDと確定診断するためには、患者が生活の少なくとも2つの側面(仕事、家庭、社会的状況)で持続的な困難を訴える必要があり、さらに、問題が12歳以前に始まったことを示さなければならない。

ADHDは、うつ病、双極性障害、不安障害、薬物使用障害など、他の精神疾患と少なくとも半数は併発している。ADHDの兆候を示す患者が、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの別の病気である可能性もある。ADHDの症状を管理する薬には、メチルフェニデートやアンフェタミンを含む規制薬物である覚せい剤や、アトモキセチンやブプロピオンなどの非覚せい剤がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?