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燕雀の志02

 去る2018年4月14日、私は大塚のスリアロ麻雀スタジオにいた。オンライン麻雀Maru-Janで知られるシグナルトークの主催する、第6回全国麻雀選手権プロ選抜部門の予選に出場するためである。
 これは、最高位戦・協会・RMU・麻将連合の4団体から24名の代表選手が戦い、その中の1名が選手権ファイナルの1枠にいきなり進出できるという、私達しがない競技プロにとっては大きなチャンスであった。というのもこの選手権大会、国内最高額の賞金が用意されていることで有名なのである。優勝者には500万円、準優勝は200万円、3位が100万円で4位が50万円という他に例をみない金額だ。この24名の中でともかく優勝すれば、そのファイナル4名の椅子を一つ、確約できるのである。
 麻雀プロという存在は、タイトル戦の賞金で食っていけるようなものではない。麻雀大会の参加費をその賞金に充てることが法律で禁止されているため、高額の賞金を多くの選手に分配することができないからである。(全国麻雀選手権は参加費無料)
 海外のポーカーの大会などは、参加費がそれなりに高く、その参加者の数に応じて賞金額も上がっていくシステムが多い。先日協会の小倉孝プロが、マカオのポーカー大会(参加費約267万円)で優勝し、日本円にして約3678万円を獲得したことは、記憶に新しい。そんな現状でこの大会の賞金額は、多くの打ち手にとって魅力的であるといっていいだろう。

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