須田良規

日本プロ麻雀協会Aリーグ /第5期雀王 /東京大学工学部卒 /雑誌「近代麻雀」でコラム「東大を出たけれど」を連載していました /漫画の原作は「東大を出たけれど」「病葉流れて」など /闘牌原作は「リスキーエッジ」など /現在業界専門誌「麻雀界」にてコラム「燕雀の志」を連載中です

燕雀の志11

2018年10月8日(月)、水道橋にある最高位戦道場で、第43期最高位戦B1リーグの最終節が行われることになっていた。
 しかし、出場選手の一人、田中巌が定刻になっても姿を見せなかった。田中は32期前期入会の十年選手でキャリアも長く、その重厚な打ち筋と朗らかな性格で、誰からも愛される最高位戦を代表するプレイヤーだった。
 1年で最も重要な最終節に、田中はどうしたのか――。私は仕事の合間に最高位戦の

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燕雀の志10

私は普段、マーチャオという雀荘のゲスト業で糊口を凌いでいる。月曜から金曜まで各店舗を渡り歩き、一般のお客様と麻雀を打つのが仕事である。
 マーチャオは明るい雰囲気のチェーン店であり、それなりの会話を交えながら楽しい時間をお客様に過ごしてもらうことを我々は目指している。元々雀荘メンバーとしてのキャリアが長い自分は、麻雀を通じて接客するのは好きな仕事である。
 先日とある用事ができて、協会の木原浩一プ

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燕雀の志09

9月15日(土)、日本プロ麻雀協会の「第13回オータムチャンピオンシップ」の本戦1日目が始まった。協会の公式ルールとは異なり、一発裏ドラなし。より競技性の高い麻雀の研鑽の場として開催されている。
 私は本戦1日目のシード。ここから半荘3回のトーナメントを2戦、また次の日に同様の対局を2戦行って、決勝面子の4名を決定する。
 もちろん全員が協会所属の選手、また本戦以降は強豪ばかりが残ってくるので、勝

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燕雀の志08

平成最後の夏、9月9日(日)に第17期雀王戦Aリーグはその最終節を終えた。私はB1リーグから復帰昇級しての最初のAリーグ。10節計半荘40回を戦った結果は、トータル+200.6pの15人中5位であった。
 上位3名が雀王決定戦に進出、さらに半荘20回を現雀王の金太賢選手と戦い、今年の雀王が決まる。そして13位以下の下位3名がB1リーグに降級し、B1から勝ち上がった選手と入れ替わる。
 私個人の順位

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燕雀の志07

2018年8月7日、ついにMリーグのドラフト会議が開催された。
 かねてよりの発表通り7チームが計21名を指名し、麻雀業界史上、世間を含めもっとも盛り上がった瞬間ではなかったろうか。会場には指名リストに名のある者、そうでない者を含め、たくさんの競技選手が列席していた。
 私はといえば、ドラフト会議の当日は実家のある島根県に帰省していて、家族で温泉施設に宿泊していた。ドラフトに関心がなかったわけでは

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