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東大を出たけれど20「疲弊の向こう」

 最近退屈な夜が続く。客がいないために深夜に店を閉めることも多く、その夜も独り新宿のフリーに出向いて時間を潰していた。昼過ぎに近代麻雀の打ち合わせがあったのだが、帰るのも億劫だったので結局それまで打ち続ける。
 夕方打ち合わせを終えて自宅に戻り、わずかに睡眠をとってからいつものように夜番に出る。
 疲弊していたが、どうせまた早く割れるだろうと憶測していた。それから店で、ゆっくりすればいい。
 ところがその夜は珍しく卓が割れない。ツー入りのまま、延々と打ち続ける。

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