東大を出たけれど28「一見」
売文稼業の真似事をさせてもらっているせいか、わざわざ店を探して会いに来て下さった方々が何人かいる。この場を借りて御礼申し上げたい。
ある日訪れた彼もその一人だった。新人の麻雀プロだという彼は、コラムの能書きを見て、どの程度のものか、書き手の麻雀を見てみたかったのかもしれない。
ただの興味本位だったとしても店としては有難いばかりなのだが、常連だけの排他的な雀荘に、さしたる売り物があるわけでもない。正直、そういう一見に来て貰うこと自体、申し訳ない気持ちで一杯になる。
それに――。いちメンバー風情の麻雀など、特に見るに足るものでもないだろう。
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