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言葉の魔法倶楽部(文学作品朗読します)

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私の好きな詩や文学作品などを朗読します。素敵な言葉を一緒に味わいませんか?
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記事一覧

【朗読】『銀河鉄道の夜』五.天気輪の柱 宮沢賢治

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『銀河鉄道の夜』   宮沢賢治 五、天気輪柱  牧場のうしろはゆるい丘になって、その黒い…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『銀河鉄道の夜』四.ケンタウル祭の夜 宮沢賢治

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『銀河鉄道の夜』  宮沢賢治 四、ケンタウル祭の夜  ジョバンニは、口笛を吹いているよう…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『銀河鉄道の夜』二. 活版所 三. 家 宮沢賢治

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『銀河鉄道の夜』  宮沢賢治 二、活版所  ジョバンニが学校の門を出るとき、同じ組の七八…

夏川佳子
2年前
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【宮沢賢治を語ろう】賢治とスピリチュアル・エマージェンシー

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今回で5回目になる「語ろう」ですが、 本日のテーマはスピリチュアル・エマージェンシーです。…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『イギリス海岸』冒頭 宮沢賢治

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  『イギリス海岸』冒頭部分 宮沢賢治  夏休みの十五日の農場実習の間に、私どもがイギリ…

夏川佳子
2年前
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【朗読】詩『風景とオルゴール』宮沢賢治

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風景とオルゴール 宮沢賢治 爽かなくだもののにほひに充ち つめたくされた銀製…

夏川佳子
2年前
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【宮沢賢治を語ろう】羅須地人協会のこと

今回で4回目になる、賢治を語ろう。 今回のテーマは『羅須地人協会のこと』です。 羅須地人協会というのは、賢治が農学校の教師を辞めた後に、農民の生活をしながら農業技術や知識を教えたり、芸術やエスペラント語を教えたりする協会でした。 どんな理想をもって設立したのか、 どんな思想の影響を受けていたのか、 芸術と生活の一致とはどういったことか。 そんなことをお話しています。 ※扉画像 William Morris (design) - Planet Art CD of royalty-free PD images William Morris: Selected Works

【朗読】『小岩井農場』パート九 宮沢賢治

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『小岩井農場』パート九         宮沢賢治 すきとほつてゆれてゐるのは さつきの剽悍…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『小岩井農場』パート七 宮沢賢治

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『小岩井農場』パート七          宮沢賢治 とびいろのはたけがゆるやかに傾斜して …

夏川佳子
2年前
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【朗読】『小岩井農場』パート四 宮沢賢治

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『小岩井農場』 パート四        宮沢賢治 本部の気取つた建物が 桜やポプラのこつち…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『小岩井農場』パート二・三 宮沢賢治

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『小岩井農場』パート二         宮沢賢治 たむぼりんも遠くのそらで鳴つてるし 雨は…

夏川佳子
2年前
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【宮沢賢治を語ろう】賢治と共感覚

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賢治を語る配信、第3回目。 賢治には独特の感覚、共感覚がありました。 花巻農学校時代の生徒…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『小岩井農場』パート一 宮沢賢治

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小岩井農場 パート一 わたくしはずゐぶんすばやく汽車からおりた そのために雲がぎらつとひ…

夏川佳子
2年前
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【朗読】『農民芸術概論綱要』農民芸術の諸主義~結論 宮沢賢治

※前回からの『農民芸術概論綱要』の続きになります 農民芸術の(諸)主義 ……それらのなかにどんな主張が可能であるか…… 芸術のための芸術は少年期に現はれ青年期後に潜在する 人生のための芸術は青年期にあり 成年以後に潜在する 芸術としての人生は老年期中に完成する その遷移にはその深さと個性が関係する リアリズムとロマンティシズムは個性に関して併存する 形式主義は正態により標題主義は続感度による 四次感覚は静芸術に流動を容る 神秘主義は絶えず新たに起るであらう 表現法のいかなる主張も個性の限り可能である 農民芸術の製作 ……いかに着手しいかに進んで行ったらいいか…… 世界に対する大なる希願をまづ起せ 強く正しく生活せよ 苦難を避けず直進せよ 感受の後に模倣理想化冷く鋭き解析と熱あり力ある綜合と 諸作無意識中に潜入するほど美的の深と創造力はかはる 機により興会し胚胎すれば製作心象中にあり 練意了って表現し 定案成れば完成せらる 無意識即から溢れるものでなければ多く無力か詐偽である 髪を長くしコーヒーを呑み空虚に待てる顔つきを見よ なべての悩みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ 風とゆききし 雲からエネルギーをとれ 農民芸術の産者 ……われらのなかで芸術家とはどういふことを意味するか…… 職業芸術家は一度亡びねばならぬ 誰人もみな芸術家たる感受をなせ 個性の優れる方面に於て各々止むなき表現をなせ 然もめいめいそのときどきの芸術家である 創作自ら湧き起り止むなきときは行為は自づと集中される そのとき恐らく人々はその生活を保証するだらう 創作止めば彼はふたたび土に起つ ここには多くの解放された天才がある 個性の異る幾億の天才も併び立つべく斯て地面も天となる 農民芸術の批評 ……正しい評価や鑑賞はまづいかにしてなされるか…… 批評は当然社会意識以上に於てなさねばならぬ 誤まれる批評は自らの内芸術で他の外芸術を律するに因る 産者は不断に内的批評を有たねばならぬ 批評の立場に破壊的創造的及観照的の三がある 破壊的批評は産者を奮ひ起たしめる 創造的批評は産者を暗示し指導する 創造的批評家には産者に均しい資格が要る 観照的批評は完成された芸術に対して行はれる 批評に対する産者は同じく社会意識以上を以て応へねばならぬ 斯ても生ずる争論ならばそは新なる建設に至る 農民芸術の綜合 ……おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ われらのすべての田園とわれらのすべての生活を一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか…… まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう しかもわれらは各々感じ 各別各異に生きてゐる ここは銀河の空間の太陽日本 陸中国の野原である 青い松並 萱の花 古いみちのくの断片を保て 『つめくさ灯ともす宵のひろば たがひのラルゴをうたひかはし 雲をもどよもし夜風にわすれて とりいれまぢかに歳よ熟れぬ』 詞は詩であり 動作は舞踊 音は天楽 四方はかがやく風景画 われらに理解ある観衆があり われらにひとりの恋人がある 巨きな人生劇場は時間の軸を移動して不滅の四次の芸術をなす おお朋だちよ 君は行くべく やがてはすべて行くであらう 結論 ……われらに要るものは銀河を包む透明な意志 巨きな力と熱である…… われらの前途は輝きながら嶮峻である 嶮峻のその度ごとに四次芸術は巨大と深さとを加へる 詩人は苦痛をも享楽する 永久の未完成これ完成である 理解を了へばわれらは斯る論をも棄つる 畢竟ここには宮沢賢治一九二六年のその考があるのみである